第24話 異世界転生してララ・ライフ
「『異世界転生してスローライフ』はもう古い! これからは『異世界転生してララ・ライフ』の時代です!」
目の前の女神さまは、のっけからハイテンションだった。
子どもを助けようとして車道に飛び出し、トラックに轢かれた。と思ったら、わけのわからない空間にいて、目の前にはいかにもダメッ娘そうな女神さま。
これだけそろえば、異世界転生であることはサルでもわかる。でも――。
「ララ・ライフってなに?」
「『ララ・ライフ』とは我々、神々の言葉で『樹木のごとき生き方』を意味します」
「いや、『ライフ』って、思いっきり英語だし」
「たまたまです!」
……言い切ったよ。
「樹木は自分が生長することでまわりの世界をより豊かに、幸せにしていきます!」
しかも、人の言葉を聞く気がない。やっぱり、ダ女神だ。
「生長した樹木は多くの鳥や獣、虫たちの住み処となります。実は食糧となって多くの生命を養い、葉は落ちて大地を肥やし、新たな生命を育みます。それと同じように自分が成長し、充実していくことで、まわりの世界をより豊かに、より幸せにする生き方。それこそがララ・ライフなのです!」
どうだ、わかったか!
と、言わんばかりのその態度。いやまあ、それはわかりましたけどね……。
「具体的にどういう生き方をしろと?」
「その具体例を作ってもらうために、あなたを異世界に送り込むのです!」
「……それってつまり、『自分にもやり方がわからないから、とりあえず他人にやらせてみよう』ってこと?」
「そうです!」
胸張るとこ、ここ?
さすが、ダ女神。
まあいいか。どうせ人間、なにもわからず生まれてくるのだ。
今回だってそれと同じ。
神さまにもわからない、誰も歩いたことのない道だと言うのなら、自分の足で切り開いてみるのもまた一興。たとえ、自分ひとりでは完成させられなくても、それが魅力ある生き方であればきっと誰かが引き継いで完成させてくれるはず。
あとにつづくを信ず。
その精神で行ってみよおっ!
完
※あとがき
ララ・ライフ?
なにそれ? 意味がわからん。
『スローライフ』のように意味のある言葉かと思って検索してみたら、テレビ番組しか出てこなくて途方に暮れた。おまけに、クロノヒョウ氏自身にも意味がわかっていないみたいだし……。
それならば!
と言うことで、自分で『ララ・ライフ』という言葉の意味を定義することにした。お題を出した当人にもわかっていないなら、こっちで勝手に意味を作っても文句はあるまい。
と言うわけで、こういう形になりました。
えっ? このつづき?
リレー小説のノリでどなたか書いてください(笑)。
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