第7話 vsイッカーセ

「はぁ……はぁ……」


やっと追いついたぞ。

手間かけさせやがって。


ヨロヨロ。

立ち上がってきたオークのステータスが表示された。


名前:イッカーセ

レベル:10

攻撃力:9

防御力:9

維持力:200

発射力:200

感度:10

勃〇力:100


(こいつがイッカーセか……隙のないステータスだ)



「貴様ぁ……誰に扉をぶち当てている」

「お前だよクソ野郎」


途中から聞こえてたさ。

なにがビキニアーマーだてめぇ。


嫌なこと思い出させやがって。


はぁ、未だによく思い出せるんだぜ?ビキニアーマーのナーニャに殺されそうになった時のこと。


まぁいい。


「お前を殺してスッキリしよう」


俺は剣を構えた。

なんの名前もないただの剣。


名前がついてないということは強い武器では無いが、この世界において名前がついてない、というのは素晴らしいことだ。


「てめぇ、このイッカーセ様と戦おって言うのか」


右手で顔の半分を覆っているイッカーセ。

それから


「いいぜ。俺の巨ちんブレードを見せてやるよ」


ヌポッ。

股間に付けていた装備をはずすイッカーセ。


そこには立派な剣があった。


「おら、てめぇも男ならチンバラ合戦といこうぜ。ほら、脱げよ」

「は?」


今抜けよって言ったのか?脱げよって聞こえたけど、抜けよ、だよな?

たぶん聞き間違いだと思うんだけど。


色々考え事をしていたらナーニャが口を開いた。


「ベニス、何をしてる!早くやれぇ!」


その言葉で我に返った。

はっ。何をしてんだ俺は。


たしかに!

あいつがあの装備を脱ぐ前にやれば良かったじゃないか。


くそっ……やっちまったぁ。


まぁいい。


ダッ!


「その武器、切り落としてやる!」


俺は剣を降った。

しかし、俺の顔に映ったイッカーセの顔は笑顔だった。


「貴様のそんな武器こうしてくれる!」


パリーン!


「なっ……」


俺の剣は奴のチンブレードに切断された。


「う、嘘だろ……」


どんなチ〇コしてやがるんだあいつ。


名前もない剣とは言え……剣だぞ……これは。


「ふん。今ので30回はイッたなお前の剣」


イッカーセがそう言った時。


「あふーん♡」


折れた剣の刀身が喘いで叫びだす。


「やめてぇぇぇ!!!やめてぇ!!!イッカーセ様ぁぁぁ!!!」

「ゲハハ!!これがイッカーセ様のブレードだぜ」


そう言って俺を見てくるイッカーセ。


「最後のチャンスだ。俺はチンバラ合戦を望んでいる。脱げよ」


その時に気付いた。

こいつがさっき言ったのは「抜けよ」じゃなくて「脱げよ」であっていたことに。


チラッ。

ナーニャを見ると。


「何をしているベニス、イッカーセさんが待ってくれているんだ。脱がずにどうする?」

「そうです!ベニスさん早く脱いでください!」


隣にいた女も叫んでくる。


なんでこの世界じゃ脱ぐのが普通なんだ?!


「ほら、ハンデ戦だ脱げよ。最近は軟弱なチ〇コばかり相手にしていたからな。たまには骨のあるチ〇コだといいんだが」


(ど、どうすりゃいい)


俺が思ってると


「とっとと脱げぇぇぇぇ!!!!間に合わなくなるぞ!!!」


ナーニャが叫んできてヤケクソになってきた。


するっ。

ズボンを脱いだ。


イッカーセの目が細くなる。


「ほぅ。競パンか貴様。くくくはははははは!!!」

「な、何がおかしい!」

「いや、待ってやって良かったよ。競パン履きに悪いやつはいないからな。ふはふははは!!!」


その時だった。


ナーニャに目をやるイッカーセ。


「おい、女」

「なんだ?」

「そろそろ調子は戻って立てるんじゃないのか?」

「くっ、貴様はそこまでお見通しなのか!イッカーセ!」


スッ。

立ったナーニャ。


「私も立てます」


横にいた女も立ちやがった。


「お前は座ってろ」

「はい」


スッ。

なんで座るんだよ。

そこは逃げればいいだろうが!


「メスマンの戦士よ。これは勃〇力測定器だ。あの競パンの男の勃〇力を測れ。先に俺の測定も忘れずにな」


そう言ってメガネみたいなものを渡すイッカーセ。


それを装着したナーニャ。


先にイッカーセを見た。


「イッカーセの勃〇力は100……くそ!高い!なんだこの勃〇力は!」

「そうだろーそうだろー?俺は魔王軍の誇るビッグチョコバナナの持ち主だからな!ヌーハッハッハ!」


それから俺に目を向けてきたナーニャ。


「な、ななな……」

「どうした、メスマンの戦士よ。なるほど、そうか。俺の勃〇力100が高すぎて、競パンでは勝てないと絶望したか?!」

「ち、違う!!!あわわわわ……」


ドタッ。

その場で尻もちを着いて座り込むナーニャ。


「勃〇力5340万だと……」

「な、なんだ?!その数字は!測定器を貸せ!」


スチャッ。

今度は自分の目に測定器をつけたイッカーセ。

そのまま俺を見ると震え出した。


「ほ、ほんとだ……勃〇力5340万?!こんな数字見たことがないぃぃぃぃ!!!!」


そう言って測定器を外したイッカーセ。

それからナーニャたちに目をやった。


「俺たちから離れろお前ら。俺はこの競パンと勝負したくなってきた」


ソロソロ、離れていく二人。

そうして思い出したように俺の応援をしてくる。


「頑張ってください!こんなイッカーセなんて倒しちゃってください!」

「そうだ!イッカーセに負けるな!お前が負けると私たちは窒息死させられるぞ!もちろん、お前もな!」


そう言うならお前らも少しは手伝ったらどうだよ。

とか思いながら見ていると。


カポッ。

チンブレードに装備を付けて。


ブン!


イッカーセは腰を横に振った。


「やかましいわ!だまっとれぇ!男の戦場に女がしゃしゃり出てくんな!」

「ぐわっ!」

「きゃっ!」


2人はそのまま寝そべった。


そうして装備をはずして俺を見てきた。


「俺はな。素肌を触れ合わせるのは初物を奪う時だけと決めてるんだ」


なんだその美学みたいなのは、とか思いながらイッカーセを見ていると。


「名乗りなニンゲン。こんなに気持ちのよさそうなチ〇コを持ったニンゲンは初めてだ。このイッカーセ。男として貴殿と勝負がしたい」


俺に対する対応が明らかに変わっていた。


何が何だか分からないが。

だが、俺も男として名乗ろう。


「ベニス。ベニス・ションベーン。俺はぁ!ションベーン家のベニスだ!」

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