第2話 転生した先は……

「ふははははは……」


なんか笑ってることに気付いて俺は笑うのを辞めた。


えーっと、今どういう状況っすか。


真顔でキョロキョロ周りを見る。


「四天王ベニス。貴様はなにを戦闘途中に周りを見ている」


そう言われて俺は声の聞こえた方を見た。


(なんでこいつ、こんなにエロい格好してんの?)


目の前にいたのはビキニアーマーの巨乳だった。

素肌率99%のド淫乱スケベ女。


理解ができない。


俺ついさっきまで部屋で寝てたんだけどなぁ。


んで、さっきから妙に股間の周りがスースーするってことで俺は下を見たんだけど。


(んなぁぁぁぁあぁ!!!!)


衝撃がはしった。

俺競パン履いてる。


てか競パンしか履いてない。

それ以外全部裸!


それにしても……。

なんで競パン?


そう思いながら俺は自分の体に触れてみると。


「キャウン!」


ボン!


俺の競パンに着いてた白鳥の口からなんか白い液体が飛んでった。


ビュッ!

ビュルルルルルルルル!!!!


「ふん!」


その白い液体を薙ぎ払うビキニアーマー。


(えーっと、どういうことっすか)


と思ってたらビキニアーマーが説明してくれた。


「ふん、これが噂に聞く、四天王ベニス・ションベーンの孕ませ光線か。熱いな」


お前はさっきから何を言ってるんだ?


ってか四天王ベニス・ションベーンって名前なんだよ。

名前酷すぎだろ。


そんなことを思ってたら俺は自分の競パンと腰の辺りに剣が刺さってたことに気付いた。


「こんな光線で私が『孕んじゃうのーーーーー!!!!』とか叫ぶと思ってるのかゲスが。貴様程度の光線で孕むワケがなかろう!」


マジで会話についていけん。

なんだこの世界は。


そう思いながら俺も剣を抜いた。


「そ、それは!」


驚いたビキニアーマー。


「貴様!ついに魔剣【汚珍棒おちんぼー】を!引き抜くと言うのか?!それを抜けば世界が白濁液に染まる!」


ビビって後ずさるビキニアーマー。


俺も後ずさりてぇよ、淫乱ビキニアーマーが。


何を考えてるんだお前は。


俺が一番ドン引きしてぇよ。


「おのれ!」


ドン!

持っていた盾を構えるビキニアーマー。


「さぁ、こい!魔剣おちんぼーの弱点は分かっている!お前の魔剣の精力を食い荒らしてやる!さぁ!ここに入れろ!お前のおちんぼーを!」


クパァっと盾に口みたいなのが出現した。


もうやだ……。

なにこれ……。


許してぇぇぇぇ……。



「おい、ベニス」


そう呼ばれる声に俺は目を覚ました。


どうやら悪夢を見ていたらしい。


「はっ……」


机に寝そべって寝てたようだ。


「何をグへへと笑っている。私を犯す夢でも見てたか?」


いきなりとんでもない言葉を聞いたなとか思いながら声の主を見ると。

さっきのビキニアーマーだ。


今はビキニアーマーじゃなくて制服に身を包んでたけど。

周りを見てみるとどこかの教室にいるらしい。


俺は本来学生、という身分でもないんだが、この際そんなことはどうでもいいだろう。


「あー、頭いてぇ……」

「どうしたんだ?ベニス。お前のベニスが痛いのではなくて頭が痛いのか?やはりムラムラするのは良くないぞ。私が抜いてやろうか?幼なじみの抜きを行うのも私の役目だからな」


あー、違う違う。

こいつの存在が頭が痛いんだよ。


こいつが消えてくれたらそれで頭痛はなくなるんだけどな。


「それよりも聞いたかベニス。メスマン帝国のヤツらが魔王シコリンティヌスに負けたらしいぞ。妊娠した女戦士の数は1919人……くっ……魔王シコリンティヌスめ……なんと卑劣な」


ひとつずつ喋ってくれ。

頼むから。

今なんの話してんの?


俺の頭を情報でレ〇プしようとするのやめてくれ。


「メスマン帝国が……私の祖国が……魔王の白濁液で汚された。許せぬ。魔王のやつまさか伝説上の最後の45日間のシコシコデイズを再現しようとしているのか?許せぬ」


お前の祖国大変だな。


俺にも分かるように話してくれないとギャグにしか聞こえない。


「なんとあの伝説のメスイキシスターズまでもが妊娠したらしい……それにガバ穴ブラザーズもケツから血を噴いて死んだそうだ。特にガバ穴ブラザーズはメスマン帝国において百戦錬磨の男根と呼ばれたほどだったのに」


またなんか新しい単語が出てきた……。

なんだよメスイキシスターズとかガバ穴ブラザーズって。


ガタッ。

立ち上がった。


「おい、ベニス。抜きに行くのか?」

「トイレだよ」

「だから抜くんだろう?私が抜いてやる」

「いい、ひとりにしてくれ」

「分かったひとりで抜きたいんだな」


誰か助けて、そう思いながら俺はトイレに向かって頭を抱えた。


頭がレ〇プされてりゅぅぅぅぅぅぅ!!!!


(夢なら覚めてくれ。夢なら覚めてくれ。夢なら覚めてくれ。夢なら覚めてくれ。夢だよな?こんなのは夢だ。夢に決まってる)


パンパンパン!!!!


顔を叩いてから目を開けてみても。


「……どこだよここ」


まだトイレの中にいた。


そのとき


「あんあんあん!」


扉が開く音と一緒に女の声。


「やはり私が抜いてやるぞ」


うわぁ……悪夢だぁ……。


「今のパンパン音は私に喘げという事だったのだろう?!分かってるぞ!」


ヒョコッ。

トイレの扉の上から顔を覗かせるビキニアーマーの女。


「よっこらせ」


ストっと個室の中に入ってきた。


「だれ?」


俺まだこいつの名前すら知らないんだよな。


「冗談か?幼なじみの名前を忘れたか?」

「ごめんなさい。忘れました」


謝るとおっぱいで俺の頭を挟みながら答えてくれる。


「すまない。記憶喪失な事に気づかなかった。私の名前はヴァギナーニャ。ベニス、お前の幼なじみだよ」


あのさ……この世界マトモな名前のやつ出てこないわけ?


「幼い頃にメスマン帝国から亡命してきたヴァギナーニャだ。お前の幼なじみでいいなずけでもある」


ふーん、

そういう関係だったのね。


ってか、やっと思い出したわ。


これエロゲーの世界じゃね?


なんかやった事ある気がするわ。

このバカエロゲー。


「ってかここ男子トイレだろうが、何でお前が入ってきてんの?」

「ん?いいなずけと一緒なら関係ないぞ?そんなことも知らないのか?ぷぷっ。この童貞が」


そう言って壁に手をついて俺にケツを向けてくるヴァギ……なんとか。


「ほら、入れていいぞ!悪い病気も全部出してスッキリしちゃえ!私の処女も奪うがいい!」

「勝手に行ってろ」


そう言いながら俺は扉を開けて個室を出た。


この状況で入れるワケねぇだろ!


「どこへ行く?ベニス?」


タッタッタッ。

俺の腕をおっパイで挟んでくるヴァギ……。


「なぁ?お前のことナーニャって呼んでいいか?」

「それはあだ名か?」


いや、日本人、ってか地球人として人前でヴァギナーニャ連呼は無理だろ。

だからさって思ったんだけど、鋭い目付きをしてらっしゃる。


「お前は私の名前を侮辱する気か?私はこの名前にプライドを持っている!私はこの名前を大事に思ってるんだぞ?!ヴァギナーニャ!ヴァギナーニャ!ヴァギナーニャ!誇り高きヴァギナーニャ!」


なんかキレるとこおかしくねぇか?!

こんな変な名前付けた両親に切れろ!


てかその名前笑うから連呼するのやめろ。


と言ったら更に逆ギレしそうだし、


「ナーニャとの距離感縮めたいんだよ」


と言うと


「私とお前の距離はもうゼロだろう?だが、まぁいい。そういう気持ちがあるのなら私はうれしー」


とりあえずナーニャ呼びで許してくれそうだ。


(……えーっと)


思い出す。

このバカゲーのストーリーを。


たしかベニスってあれだよな。


人間側の裏切り者だった気がする。


たしか魔剣【汚珍棒】を手に入れてから、様子がおかしくなり、闇落ちして聖女様をレイ〇して裏切って魔王側に付いた奴だったはず。


んで、最終的にナーニャに殺されたとかそんなストーリーだった気がする。


普段エロゲーのストーリーなんて覚えてないけどあまりにもバカゲーだったから覚えてる。


(よりによってこのバカゲーかよ)


【メスマン帝国の野望】

ちなみに野望要素はいっさいないし、帝国は名前しか出てこない。


んで、全部思い出した。

さっき見てた夢は俺の未来の姿ということを。


あんな風に俺たちは殺し合うことになり、俺はナーニャに殺されたはずだ。


えーっと、そんときに必殺技で殺されたと思うんだけど……


チラッ。

ナーニャに視線をやると。


「そうだ!聞いてくれベニス。私は必殺技『テクノブレイク』を完成させたぞ!これで魔王をイカせることが出来る!」


このふざけた名前の必殺技に殺されたんだった。


あー。やだよねぇ。


それとさ、俺は決めてることがあるんだ。


テクノブレイクが死因で死ぬのは絶対に嫌だよねってやつ。


だって、死体の発見時。情けなさ過ぎないか?


俺なら絶対嫌だぜ?


ってことで、とりあえず最低限闇堕ちとやらは回避しよう。

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