Aランクパーティを追放され、ソロでダンジョン配信を始めたら迷惑系認定されてしまった僕だけど、不死身スキルがバズって、美少女と攻略することになってしまった。なので今更戻って来いと言われても、もう遅い
第8話 【救国戦隊☆リュウショージャー】#1 高難易度、Aランクのダンジョンに挑みます! ―龍翔視点―
第8話 【救国戦隊☆リュウショージャー】#1 高難易度、Aランクのダンジョンに挑みます! ―龍翔視点―
「はい! というわけで、本日が初配信になりまーす」
俺、
「今日は最難関ダンジョンと言われる、ここ『マガツクビヅカ』に挑戦してみたいと思いま~す」
いつもの女3人組が、わーっと拍手する。
「じゃあまず、自己紹介からいきま~す。俺たちは『救国戦隊☆リュウショージャー』というパーティ名でダンジョン探索をしてまーす!」
「いちおうAランクパーティだよっ!」
テイマーの
《おお、Aランクパーティか》
《すげえな、日本では両手の指で数えられるぐらいしかいないのに》
《しかも全員、美男美女かよ》
リスナーの反応に、内心ふふん、とふんぞり返る俺。
ま、当然の反応だな!
「まず俺はリーダーをやっている、星月夜龍翔といいま~す。ジョブは勇者でーす」
《SSS級ジョブキター》
《勇者ってそんなにレアなん?》
《戦闘力はもちろん、勇気と知恵が必須といわれてるぞ》
「わたしはテイマーをやってる、まゆゆん! よろしくねっ☆」
《ちっちゃくてかわいー♡♡♡》
《横にいるモフモフした狼が、テイム中のモンスターかな?》
《サーバルタイガーやな。剣歯虎類のモンスターで、高レベルのテイマーじゃないと、操れないぞ》
「ユルリーと申します。アイテム士をやらせていただいております。以後お見知りおきを」
《うおお美人過ぎるぅぅぅ》
《ハーフさんかな?》
《なんかバーテンダーがカクテルを作るみたいに、優雅にアイテムを調合しそうw》
「カエデ。拳闘士だ。どんな敵も拳一つで倒すぜ! シュッシュッ」
《スポーツ系美少女……だと?》
《シャド―ボクシングはえええwww》
《わい、拳が見えないんやが(笑)》
――よーし、まずまずの手応えだな
俺はグングン伸びていくコメントを見て、にやりとほくそ笑む。
これなら初日で登録者数1万越えぐらいは余裕だな。
それも当たり前だろう。
なにしろ俺ときたら、学業優秀、スポーツ万能、陽キャで常にクラスの中心だった上に、実家が金持ちときてるんだから。
そんな勝ち組確定の俺が、配信を始めるんだから、成功しない方がおかしいってもんだ。
「あと付け加えると、俺らはいわゆる幼なじみってやつで、昔から
《へえ、幼なじみの探索者グループか》
《なんか、ほのぼのしてそうで、いいじゃん》
《応援するよー【¥500】》
早くもスパチャが飛んでくる。
まったく、ちょろいもんだぜ。
「龍翔――イタ……星月夜くん、そろそろ出発しよう」
一瞬、俺を名前呼びしそうになった真由香が慌てて苗字呼びに言い直したのは、俺がカメラに映らないよう彼女の足を思い切り蹴飛ばしたからだ。
危ねえ危ねえ。女性リスナーが嫉妬するかもしれねえから、こういうところはもっと気を配りさせねえと……。
「では、さっそく行ってみまーす」
《待った》
「ん? まだなにか?」
《私の記憶に間違いがなければ、たしかこの探索者グループは、5人組ではなかっただろうか》
そのコメントに、俺たちはタイミングを揃えたように、一斉に足を止めた。
「……たしかにそうですね」
《
「あ〜〜〜、実は、彼はちょっと実力不足なところがありまして……そこを気にして
「そうそう。私たちは全然気にしないって言ったのにねぇ」
「わたくしも懸命に引き留めたのですけど、彼の決意が固くて……」
「すごく残念だったぜ」
《そうですか。突然の質問失礼しました》
「いえいえ」
俺は内心の冷や汗を拭いつつ、笑顔でこたえる。
いくらあいつがゴミカス役立たずの無能で、キモキモの実を食ったとしか思えないスキル持ちでも、幼なじみは幼なじみだ。
それを「追放した」とかバカ正直に言ったら、リスナーのヘイトを集めちまう。
俺は女子どもと素早く視線を交わした。
こういう時のために、『あいつは自己都合による退職みたいな感じにしとこう』って、事前に示し合わせておいてよかった……。
「では、改めて出発しまーす」
俺は気を取り直すと、パーティメンバーと共に、ダンジョンの奥へと向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます