第30話:体育祭②【騎馬戦】

『さあ! いよいよ午前の部最終競技!! 男子騎馬戦の時間だ!!!』


「「「「「うおおおおおおおおお!!」」」」」


快活な放送部員の声が響き渡る、それに呼応した男子達の声が上がる。


『ヤロー共準備は良いかぁ!!!』


「「「「「うおおおおおおお!!!」」」」」


「おぉ……」


そんな中俺は凄く複雑な顔をしていた。


「おいおい、翔よ。決まっちまったもんはしょうがない、楽しもうぜ!」


「そうだな、進藤の言うとおりだ! 楽しまなきゃ損だ!」


山本と雨音が意気揚々肩を叩いてくる。


「それに、今から闘うのは1~3年生、全部が纏まった相手だ。上手く立ち回ればそれなりにポイントを稼げる」


「そうだな、寧ろ三年相手に守ろうなんて考えるより奪う方が効率的だ! だから気を抜いて闘おう」


「わかった……出来るだけやってやるよ!」


「流石英雄様は言う事が違うな!」


雨音が調子に乗って言って来る。


「ほう? もう一度デコピンを味わいたいと?」


「ひっ……流石にそれはやめてくれ、というかお前は女子の英雄だろ?」


「そうだな、見て見ろ」


雨音と山本に指差されて観客席を見ると、クラスの女子達が湧き立つ。


「がんばれー佐伯くーん!」


「期待してるよー!」


「カッコいい所見せてね~!」


と次々に飛んでくる。


「ほらな?」


「そうだな、非常に妬ましいがな!」


そう言うとウチのクラスの集まりが「うんうん」と首を大きく縦に振る。


「なんか敵側の殺意が1.5割増しくらいになってるのは気のせいかな?」


「いや、気のせいじゃ無いな」


「そうだな、寧ろ良い囮になるな!」


そんな状況に口角を引きらせていると更に声がかかった。


「翔くーんがんばってー!」


「しょ~がんばぁ~」


「頑張ってください~」


「気張りなさいよ!! 翔!!」


今度は真白達からの応援が届く、良く通る声なので気付いて手を振り返すと周囲の女子達から黄色い悲鳴が上がった。


「コロスコロスコロスコロスコロス……」


「八つ裂き八つ裂き八つ裂き八つ裂き……」


「地獄の果てまでおいかけてやruuuuuuuuuuu!!」


うん、これ生き残れるかな?


「薄々感じてたけど」


「俺達もヤバいな!」


「な、なぁ翔……」


「雨音、山本……お前らも道連れな♪」


そう言うと雨音は死んだ様な目になり、山本は「ばっちこいや!」と無駄に熱くなっていた。


『それでは各陣営、騎馬を組んで下さい!!』


◇◆◇◆◇◆◇◆

意外と高い騎馬の上から戦場を見渡す、開幕に俺達目掛けてやって来た相手を罠に嵌めて大量得点をした我がチームは有利に立ち回っていた。


『ああっと! ここで紅組再びの攻勢に出る! 白組もすかさず抑え込む!!』


「二人共、このまま突っ切ろう! 今敵が突っ込んで来た場所が、手薄になってるからそこから外側に攻め立てよう!」


「了解!」


「周りの皆突っ込むぞ! 俺達に続け!!」


山本が叫んで急に走り出す、あわや落ちそうになるが踏ん張る。


「ちょ! 走るなら言ってくれ!」


「すまん!」


動きやすさや小回りの良さが上がる分、下が二人なのでバランスが崩れやすいなので急に走られると落ちそうになる。


「佐伯君このまま突っ込むよ!」


「周りの皆頼んだぞ!」


「「「「「応!!」」」」」


雨音と山本声に合わせ、いつの間にか屈強な運動部員が集まって陣形を組んでいた。


「「「「「うおおおおおおおお!!」」」」」


「なんでお前らそんなに息合ってるんだよ!!」


雄たけびを上げながら男子達がぶつかり合う、なんでこんな事に……。


『あぁーっと!! 白組の攻撃で紅組大ダメージ!! 次々と鉢巻きが奪われて行きます!! このまま決着か!?』


そうして次々と雪崩れ込んで来た白組によって点差が付けられて行き、タイムアップとなり、白組の勝利となった。


終了後、俺達のチームは一年生で一番得点を稼いだチームとして簡単な表彰も受けたりした。


(過去の自分じゃ、こんな事考えられなかったなぁ……)


◇◆◇◆◇◆◇◆

そして昼食となった


「ふぅ……疲れたぁ……」


中庭で、先程購入したスポーツドリンクを飲みながら一息つく、今の時間は昼食時間となりいつもの通り中庭での食事となっている。


「翔君お疲れ様~」


「カッコ良かったよ~」


「素敵でした~」


「すごかったねぇ~」


「雨音もお疲れ様」


「いやー翔がバンバン鉢巻き取ってくれるもんだから、気分が良かったよ」


雨音も満足そうにスポーツドリンクを飲む。


「それではお嬢様、こちらをどうぞ」


鳴海さんが豪華なお重を持ってきた。


「あのー俺も良いのか?」


山本君が少し気まずそうに言う。


「大丈夫ですわ~翔さんのチームメンバーですので~」


「佐伯……お前凄いな……」


しみじみと言う山本が遠い目をする。


「いやーお兄ぃがあれだけ凄まじい活躍を見せるとは……」


そしてちゃっかり檸檬の隣を確保している由愛も居る。


「動画も撮ったし後でお母さん達に送らなきゃ」


「おい由愛、それはやめてくれ! なんか恥ずかしい!」


「え~良いじゃんカッコ良かったし~」


「そうだよ! あの素早く鉢巻きを『シュバ』っと取っていく様、凄かったよ!」


派手な大振りで真似をする真白、やめてくれ恥ずかしい……。


「それでは皆様~こちらをどうぞ~」


藍那にお箸と紙皿と飲み物が入ったコップを手渡され準備が整う。


「それでは~翔さん達の頑張りを祝して~かんぱ~い」


「「「「「かんぱ~い!」」」」」


「か、かんぱーい……恥ずかしいな……」


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