第7話:脱いで下さい!

唐突にメイドさんに組み伏せられ、その結果服が破れてしまった。それのお詫びと、直す為に、久凪さんの家に向かう事になった俺達。


 テキパキと鳴海メイドさんへ指示を出した久凪さんが、コチラに向き直り頭を下げる。


「佐伯さん、この度は私の落ち度でこの様なご不快な思いをさせてしまい申し訳ありません」


 そう言ったまま頭を上げない、これは困った………


「えっと、それは大丈夫ですが……雰囲気変わりすぎじゃないですか?」


「あーはい……その理由も含め、お話しをさせていただきたいなと思いまして。無論皆様方もいらして下さい、御学友としてお話しをしたい事もありますし」


 そう言って再び一礼をして離れていく。それからスマホで何処かへ連絡をとりつつ荷物を纏める久凪さん、本当に別人の様だ。


「ゴメン皆、遊びに行く予定だったのに……」


 振り返って謝ると、ぽかんとしていた皆が正気を取り戻す。


「まぁ、良いんじゃない? 友達が一人増えるし!」


「そうですね。偶然とはいえ、オリエンテーションで一緒の班ですし、いい機会です」


「そ〜だねぇ〜しょーが居なかったら、当日まで〜どんな人か~わからなかったしねぇ〜」


そう言ってコミュ強の檸檬、そして同じクラスの真白達は喜んでいる。


「まぁでも、なんつーか俺達場違いな気がしないでもないんだよね」


「そうねぇ……佐伯さんと真白達は関わりあるけど、私達はねぇ……」


 雨音と弓場さんが気まずそうに顔を見合わせる、お前ら夫婦かよ。


「ん〜まぁ、大丈夫じゃない? 多分~遅かれ早かれ真白から檸檬に繋がって~知り合いにはなっただろーしぃ〜」


 と蕾が言うと真白もうんうんと頷いていた。


「そ、そう? それならいいんだけど……」


「それで、翔はどこで久凪さんと、知り合ったんだ?」


 当然の如く飛んでくるよなこの質問。


「えっとな……入学式で、隣の席だったんだ」


「へぇ~」


「そりゃまた凄い偶然だ」


「まぁ、それで少し話をしたくらいだね」


「えぇ、そうですね。佐伯さんが寝てたこと以外は」


「うぐっ……」


 久凪さんが戻って来て早々、痛いとこを突かれた……


「しかも何度か起こしても、すぐ寝るので呆れてしまいました」


「そ、それは……」


一度受けた入学式だったのも会って、調子に乗って前日夜に、前世の世界と違う点やトレンドの追いかけをしてたら朝日が昇る時間になっていたんだ。


(だって掲示板とかで、先を知ってる俺が。展開予想を外してるのを眺めて愉悦に浸るの楽しいじゃん!)


かといってそれを言う訳にもいかないし……


「退屈なのは分かりますので、強く咎めはしませんでしたが。あまりに私の太ももに倒れ込んできそうだったので……」


「え? マジ?」


 そう聞くと久凪さんが少し顔を赤らめて「えぇ」と答えた。


「すみません、切腹します。雨音介錯を」


 その場に正座してブレザーの前を開いて切腹をスタンバる、気分は簡易的な御白州おしらすの出来上がりだ。


「いやいや、待て待て待て、そんなの俺にやらせるな!!」


「だって、周り見てくれよ、皆引いてるんだぞ……」


真白達を指差すと若干引いたような笑みを浮かべている。


「あはは……」


「ちょっと幻滅したかも」


「さすが~男の子だねぇ~」


「佐伯さんのえっち……」


 女子達からの一言で大ダメージを受ける俺。


「ぐはっ……もう生きてけない……」


 しかも真白は名字にまで戻ってる。


 高校初日にして、同級生女子に変態と思われたらもう生きていけない、このまま3年間のレッテルを烙印の様に刻まれ生きていくんだ……


「雨音……すまん、PCのHDDだけは壊してくれ」


「いやいや、やらないからな!」


 そんな事をしていると、鳴海さんが怪訝な顔をしながら戻って来ていた。


「お嬢様、準備が整いましたのでお迎えに上がりました」


「わかったわ、それじゃあ皆行きましょう。ほら佐伯君も立って」「なーご」


「うぅ……」


 そのまま六本木を頻繁に走ってそうな高級車リムジンに乗り走り出す、そうして時間にして約40分ほど走ると、途轍もない大きさのお屋敷が現れた。


「なぁ。翔、俺は夢でも見てるのか?」


「奇遇だな雨音、俺も同じ感想だ」


 圧倒される俺達とは違い、女子は楽しそうだ。


「ごめんなさいね、驚いたでしょ」


「あー、うん……まぁ……」


「あぁ、なんか森を抜けたら庭園があって、そこに西洋風の洋館が建ってるんだもんな」


 解説ありがとう雨音、頼りになる友だ。


「お嬢様の高貴なるお屋敷です!! 心して入りなさい!!」


「なにを、どう心するのよ……」


 久凪さんが呆れた風に答える。


「さて、このまま話してるのは、時間の無駄になるので。さっさと中へ入りましょう」


 てきぱきと話す久凪さんが中へ入って行く、それに俺達も続く。


「わぁっ!」


「ほえぇ~」


「おぉ~」


「凄いわね……」


「あんな豪華なジャンデリアとか、テレビの世界遺産とかでしか見た事無いな……」


「そうだな……」「なーご」


 上を見上げ呆ける6人と1匹。


 というか太郎丸は、この家の子だろ。


「それでは皆様、こちらへ」


 そのまま久凪さんが、玄関ホールの扉から広間へ通してくれる。


「すみません手狭で……」


「これが手狭……」


 推定40畳はある部屋なんだけど、これで手狭って……


「では、佐伯さん。脱いで下さい!」


「はい?」


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