第4話祭りの日

ピッピ、ピッピ。「鳥の声?もう朝?」私はゆっくりと目を開けた。

「ここ何所だっけ?そうだった、カルディア国に転移したんだった」私はそう言うと起き上がった。ワン!ワン!「え、リーフ?」ベッドから降りて窓から外を見ると馬に乗った男の人が来ていた。リーフをなでている。「誰だろう?」そう思っていると「ニャン!」とサクラが鳴いた。「そうね、どっちにしても着替えないと」と私は思い、昨日来ていた服に着替えて鏡で身だしなみを整えた。

「ナギ起きてる。降りてらっしゃい」エマの声がする。

「はーい!」私は返事をして階段を下りた。

「こっちにいらっしゃい、カイを紹介するわ」私はエマの隣に立った。

「カイ、この子がナギ、昨日異世界から転移してきた子よ」

「カイと言います。よろしくお願いいたします」

「ナギです、よろしくお願いいたします」と私たちは挨拶をした。


「朝ごはんにしましょう。ナギ、今日から町でお祭りがあるの。カイと一緒に行ってくるといいわ」

「お祭りですか?」

「ええ、この国を見て欲しいしね。そうだ、顔洗っておいで」エマがそう言うので私は顔を洗いに行った。

顔を洗って戻ろうとしたらカイが待っていた。カイは近寄ってきて小声で

「俺の本当の名はカイト。何かあったら呼ぶといい。そうすれば俺に届く」と言った。「それと君の名も知りたい」私は小声で自分の名を教えた。「解った。これで言葉がお互い届く。使わなくていいならいいんだが」カイはそう言うと食卓の方に戻って行った。


食事はとても美味しかった。「ごちそうさま。片づけますね」と言って私は食器を持って流しへと言った。

私が食器を洗っている間、カイとエマは何やら話をしていたようだが、良くは聞こえなかった。

私が洗い終わると、エマが「ナギ、着替えてらっしゃい。サクラ服を選んであげて」

「はい」「ニャン」私はサクラと部屋に戻って着替えをし、また戻った。

「うん、よくお似合い。カイ後は頼んだわよ」

「はい」とカイは答え、「行きましょう」と私の手を取って外へと連れ出した。

「馬に乗ったことは?」

「ないです」

カイは私を馬に乗せると「しっかりつかまっていて下さいね」と言い自分も乗り込み手綱を引いた。するとサクラが飛び乗ってきた。馬はそのまま出発した。


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