第7話チームめんこい(7)
はる:あ、あなたは毎度毎度なんなんですか?
しき:なんなんでしょうね!でも私だって言いたいこと言わせてください!
しき:調子に乗らないでください!!
なつめ:は、はあ!?
はる:また何を言い出すんですか?
ふゆき:しきちゃん、今は暴走する時じゃないよ!?
しき:暴走じゃないです。話し合いがしたいんです。
はる:話し合い?
しき:皆さんの目標はなんですか?
ふゆき:………
しき:私、皆さんのこと知らないんです
しき:チームめんこいでもあきなさんみたいにちゃんと授業を受けてる人もいるし、ふゆきさんみたいに人助けをする人もいる
しき:皆さんが、可愛くなりたい理由って何ですか?
ふゆき:……しきちゃん
しき:わ、私は!元チームめんこいのメンバーが私のお母さんにパワハラしたことが許せなくて!私が代わりに可愛くなってチームめんこいを解散させようとしただけです!
しき:皆さんは?
なつめ:そんな話、誰も乗らねーよ
あきな:私は!
なつめ:あきな!?
あきな:ふゆきのおかげで可愛くなれた。ふゆきともっともっと可愛くなりたいと思ってる
あきな:自分に似合うメイクをして、自分の変化を楽しんで、人に自分の姿で楽しんでもらう
あきな:そうやって自信を持てたのも、ふゆきのおかげだよ
ふゆき:………
あきな:だから、チームめんこいで居続けたい
なつめ:そ、そんなこと言ったらあたしだってはると一緒に可愛くなりたいと思ってる!
なつめ:あたしの両親がモデルだから!あたしが可愛くて当たり前なんだ!
なつめ:でもさ、はるがどんどん可愛くなっていく様子も、見てて嬉しいんだ
なつめ:はるのお兄さんとの約束、果たそうとしてるんだなーって
しき:お兄さん?
はる:……ええ、私には血の繋がってない兄が居ました
ふゆき:えー。初耳
はる:そうですよね。だってもう、この世には居ないから
あきな:こ、この世には居ないって……
はる:亡くなったんですよ
しき:………
はる:私が小学生の頃、兄は私に対して毎日可愛いと言ってくれました
はる:それが嬉しくて私は毎日楽しくオシャレをしてました
はる:そんなある日、本当に突然、兄は事故で亡くなりました
はる:兄は最後に私にあるものを買ってきてくれたんです。このリボンを
しき:……だからいつもそのリボンを付けてたんですね
はる:そう。私はこのリボンが兄の代わりだと思って、可愛くなると決めました。また可愛いって言われるために
ふゆき:そんなことがあったなんてね
ふゆき:はるちゃんがこんなにも可愛くなろうとしてるのはわかったよ
なつめ:んで?ふゆきは?
ふゆき:私は変わらないよ。私の可愛いじゃなくて、人の可愛いを見ていたい
ふゆき:想像したこともない自分を引き出せた時に人はキラキラ輝いて、思わず笑顔になる瞬間が好きなの
ふゆき:だからさ、あきな
あきな:………なに?
ふゆき:私はやっぱりめんこいグランプリには出ない。しきちゃんとあきなを見守るよ
あきな:……そんなの嫌だって
ふゆき:ううん。私が居なくてもあきなは一人じゃないよ
ふゆき:だって!こんなに可愛い人達がいるんだから!
あきな:………
しき:それって!私も含まれてますか!?
ふゆき:しきちゃんに関しては愛嬌かなー
しき:誰が性格はいいブスだあああ!!
なつめ:そうは言ってねーだろ
あきな:でも、そうだよね。去年まではふゆきだけだったけど、今は皆も一緒
あきな:チームめんこいは今もここにあるんだから!
しき:あ!!チームめんこいは私が解散させます!!
はる:ほんとに騒がしいですね
はる:しき、わかってますか?めんこい祭まであと1週間。私に何を言ったか覚えてますか?
しき:………えぇ!覚えてますよ!
しき:2年A組、はるさん
しき:私と勝負しろ!!
はる:望むところです。ふゆきとどんなことを積み上げてきたかはわかりませんが、受けて立ちます
ふゆき:しきちゃんがんばれー!
なつめ:ミスめんこいは、はるに決まってんだろ
あきな:私だって目指さないと!ミスめんこいを
しき:覚悟しててくださいね!最後に笑うのは私ですから
はる:笑われるの間違えじゃなきゃいいですけど
しき:う、うるさーい!それを証明してやるって言ってるんですよ!
しき:私だって可愛くなれる!可愛くなる権利は誰にだってあるんだから!
しき:私がミスめんこいになってみせる!
ふゆき:よーし!じゃあまたランニングだー!
しき:それはいやー!!
あきな:チームめんこい(楽しそうに)
:8話に続く
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます