第6話チームめんこい(6)
0:夏休みが明けたある日のこと
しき:ふゆきさんに言われた本ってこれでいいのかな?
しき:え!!表紙が!えっちだ……ふゆきさんこんなの見るんだ。すけべだな
しき:おー…おー……おほほほほ
はる:……しき?
しき:っ!げっ!あ、あなたは!
はる:気色の悪い笑みを浮かべてどうしたんですか?
しき:あ、あなたの挑発にはもう乗りませんよ!
しき:って!!誰が気色悪いじゃあああああ!!!
はる:あの、お店の中なので静かにして貰えますか?
はる:ほんと、顔も口もやかましい人ね
しき:誰が歩くスピーカーじゃあああああ!!!
はる:なんか、一周まわって面白い?
はる:こんなところで何してるんですか?
しき:み、見てわかりませんか?勉強してるんですよ
はる:あら、熱心ですわね。無駄な努力にならないことを祈ります
しき:ぐぬぬぬぬ!いちいちムカつく一言を!
しき:そんな余裕でいられるのも今のうちですよ?
はる:どういうことかしら?
しき:私には心強い味方がいるんですよ!
はる:あら?誰のこと?
しき:ふゆきさんです!
はる:……ふゆきが?
しき:はい。ふゆきさんが私に可愛いを教えてくれるんです
はる:……へぇー。それは大層な事ね
しき:そうですよ。だからあなた達チームめんこいもこれまでです
はる:………ふーん
しき:お?余裕無くなりました!?今まで散々私を煽っておいて!余裕なくなったんですか?
しき:めんこい祭まであと2週間ですね!せいぜい怯えながら待っててくださいよ!
はる:……ふふっ
しき:何笑ってるんですか
はる:いえ、滑稽(こっけい)だと思いまして
しき:……は!?
はる:人の手を借りないと成果を出せないなんて未熟者ですね。それで本当の実力って言えるのかしら?
しき:……な、なんですって
はる:まあ、あなたには自分一人の力で何かを成し遂げるなんて夢のまた夢でしょうね
はる:せいぜい。いきがってなさい
しき:ちょっ!待ってください!
はる:さようなら
しき:あ!……もう!相変わらずムカつく!
はる:……どういうつもりかしら。ふゆき
0:学校の放課後にて4人が集まる
はる:………はあ
なつめ:よう、はる、ふゆき見つけてきたけど
ふゆき:何か用?
あきな:………ふゆき
はる:ふゆき、しきとはどういう関係?
ふゆき:え?友達だけど?
はる:………しきに何か手助けしてる?
ふゆき:手助け?まあそうだけどしきちゃんの可愛いを引き出したくて
なつめ:な!そんなことしたら!
ふゆき:別に私が誰に何をしたっていいでしょ?
はる:今すぐやめなさい
ふゆき:やめないよ。人の可能性は無限にあるんだもん。
はる:そういう問題じゃないんです。しきはチームめんこいを解散させようとしてる人物なのですよ?
ふゆき:それと可愛くなるのに何か関係あるの!?理由はどうあれ、目標に向かって努力するのは、はるちゃんだってそうだったでしょ!?
はる:………そうですけど。ふゆきはチームめんこいが無くなってもいいってことなんですか?
ふゆき:無くなってもいいよ
なつめ:……っ!
あきな:………
ふゆき:私は可愛くなりたい人のサポートをするだけ。でも、可愛い人が偉くなって権力を得て振りかざすようなら、無くなってもいいよ
あきな:……じゃあ、ふゆきはめんこいグランプリには出ないの?
ふゆき:………私は
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0:教室の外では
しき:今日こそはるさんに物申してやる!
しき:毎回言いたい放題言って!許しませんから!
しき:あれ?見た感じみんな揃ってるみたい
しき:………なんか、雰囲気悪い?
ふゆき:私は!めんこいグランプリには出場しないよ!
しき:………え?
はる:ふゆき
あきな:ふゆき!!
なつめ:あ、あきな!?
ふゆき:い、痛いよ!離して!
あきな:目を覚ましてふゆき!何考えてるの!
ふゆき:去年も言ったでしょ!私が目立つのは嫌だし、出たくないって
あきな:でも!ふゆきがステージに上がってくれないと私は!
ふゆき:私が居なくてもあきなならもう大丈夫だよ!
あきな:違う!私は!私はふゆきと一緒にチームめんこいで居たいの!
ふゆき:……あきな
あきな:私にとってチームめんこいはふゆきと頑張った証なの!大事な場所なんだよ!
あきな:それをふゆきが無くなってもいいとかめんこいグランプリに出ないとか言わないでよ!
なつめ:あ、あきな、落ち着けって
0:教室の扉が開く
しき:お、お取り込み中の所申し訳ございません!
はる:………?
ふゆき:し、しきちゃん?
しき:チームめんこい!
しき:私と勝負しろ!!
なつめ:チームめんこい?(謎そうに)
:7話に続く
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