第85話 神様乱入?!
「そう。君が読んだ古代文献にもあるように、魔力だまりってやつね。魔力だまりから発生する魔力を吸収して成長する集合体が自我を持ち、さらに成長を続けると実体化していく。そうやって実体化した魔物が守護ゴーレムになるんだよ」
「それって、魔力だまりを潰せば終わりじゃないの? 今までもそうしてきたんでしょ?」
「もちろんそうなるけど、今回はそう簡単にはいかないかもね。今回は作為的に作られた魔力だまりだからさ、このままだとこの土地にある魔力を吸いつくしちゃうし、その魔力を使って守護ゴーレムが復活する可能性もあるんだよ」
「どうしてそんなことになっちゃったんです?」
「えーっとここを支配している聖王国? って所が大規模魔法を使っちゃったみたいなんだよ。そのせいでニニラカン大陸の魔力バランスが崩れちゃったみたいだね」
「水害もそのせいで?」
「うん、そうだね。で、この現象は大陸全土で起こってるんだよ。おかげでこの大陸の神も大忙し、だからこうやってこっそりタイチ君にも会いに来れたんだけどね」
「えっと、僕はどうすれば?」
「うん、基本的にはいままで通りで構わないよ。楽しんで。って言ってももうずいぶんここに関わっちゃったからねえ。首長とかになっちゃうし」
「いや、それは成り行きで」
「ね、図書券スキル、役に立ったでしょ?! どうよ、この先見の明!」
「はあ、まあ、それはありがとうございますですけど」
「ですけど? あのスキルがどれほど君の助けになってになっていることか」
「ありがとうございます! 本当に助かってます!」
「うんうん、いいよいいよ! じゃあそろそろ時間だから、僕は戻るけど。あ、そのゴーレムね、弱点はさっき感じた影の目だからね。それから各地のゴーレムを倒すといいことがあるからチャレンジしてみるのもいいよ、じゃ、よろしくね!」
「ちょっ、神様! あー、行ってしまった」
神様との会話を終えたタイチが視線を上げると、そこにはイクンツが立っていた。
神様がいなくなると同時に時間が進み始める。
目が弱点って言ってたな。
んじゃあ。
タイチはタイチは剣に魔力を通し先ほど違和感を感じたイクンツの陰の部分に向かって振り下ろす。
イクンツは攻撃を防ごうとするが魔力でできた剣で切りかかり、もう一度剣に魔力を流し込み、イクンツの陰の目をめがけて剣を突き出す。
するとイクンツは苦悶の表情を浮かべながら後ろに下がり、苦しんでいるようだ。
タイチはそのまま追い打ちをかけ、何度も剣に魔力を込めて攻撃する。
そしてついにイクンツの体は崩れ、光が集まり、魔力となって霧散していった。
「なんとかなったあ!」
消え去ったイクンツのいた場所を見ると、小さな箱が落ちている。
タイチはその箱を手に取り開けてみるとイクンツの目の色と同じ中には青い宝石が入っていた。
タイチはそれをポケットに入れると、祠の入口まで戻る。
「なんだか長かったようだけどそれほど時間は経ってないのか」
日の光を浴びながらそんなことを考えていると、ポケットの宝石が光りはじめ祠の周りの水が浄化されていく。
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