第82話 続アンティーク・ノート
「これってもしかして昨年の水害に関係してるってこと?」
「そう考えるのが自然でございましょうな」
「そうなると水害の発生原因も調べないといけないのか。少し読み進めてみよう」
タイチはルークの持ってきた古代文献をさらに読み進めると、ニニラカン大陸での水害の発生のメカニズムはおおよそ魔力の流れの変化によるものであると書かれていた。
今回のナーバル地方ではどうだろうか。そもそもこの世界の地図には島が載っていないので正確なところはわからないのだが、おそらくこの世界を支配している聖王国が大量の魔力消費を行ったために周りの地域に影響が出たのではないかと考えられた。
聖王国の周辺地域の反乱が影響しているかもしれない。
「ルーク、ナーバル地方の魔力の淀みがどこなのかはわかるかな?」
「残念ながら本には載っておりません」
「そっか、じゃあこちらでしらべるしかないか」
「いえ、私の記憶によればナーバル村に流れる川の上流になりますな」
「あ、そうか。さすがルークだね」
「いえ、魔獣であった頃の記憶でございますので。イクンツの滝は水害前はそれは美しい場所でござました。魔力に溢れ、魔獣のみならず多くの生き物の癒しの場でございました」
「へえ、そんな滝だったんだね」
「はいしかし水害が起こり、川は濁流となりました。それでも水は流れ続け、下流の街に流れ込み、やがて疫病が発生しました」
「あの川の源流を調べてみるよ」
「お願い申し上げます」
こうしてタイチは源流を調べることにした。
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