第47話 新たな問題
「じゃあ、ロイさん。さっきの続きですけど、連れて帰るのって大丈夫ですかね? どうしましょう?」
「ああ、いや、それは俺に聞かれてもなあ。まあ、テイムされたんだし、っていうかさ、この姿を見てこいつが村を襲ってたティグリスだって言っても誰も信じねえだろ。村に連れて帰っても殺されることはないんじゃねえか?」
「そうですかね?」
「ああ、ただものすっごい問題が浮上してるぞ」
「え? なにか問題があるんですか?」
「アリアになんて説明すんだ? お前の服を着た虎娘のこと」
「ああああああ!!!!!!」
ロイさんは深いため息をついている。
どうしよう??
どうしよう?!
どうしよう!!
まずい、まずすぎる!!
「あるじぃ!!」
「だから、ね、シャーリー。人族はね、そうやってひっついたりするのはとても仲が良い人だけでね」
いや、シャーリー。
君に罪はない、罪はないのだけれどもね。
「あるじとわたしはなかが悪いのか???」
「いや、そうじゃないんだけどね。こうひっつくのは人のいない所でってなにを言ってるんだ僕は!!」
「あるじぃ~」
「な、おい、どうすんだ。タイチ、帰ったらたぶん、殺されるぞ」
「は、はい。そうですよね? 殺されますよね? これ絶対ダメなやつですよね?!」
「だがな、戻らないわけにもいかないだろうしな。腹をくくれ! タイチ! 男だろ!」
「あーそういうの、今はダメなんですよ。男だろとか女だろとか、そういうのはなおしたほうがいいですよろいさん」
「お前何言ってんだ? どうした?! 大丈夫か?」
「大丈夫なわけないじゃないですか! どうするんですか、この状況! はあああぁぁぁぁぁ」
「まあでもな、考えてもみろ。お前とアリアは別に婚約してるわけでもねえんだぞ、別に他の女に手を出したって構わねえっちゃあかまわねえんじゃねえか?」
「ロイさん、あなたそれアリアさんに言えます?」
「言えるわけねえだろ。心配するな、しょせんは他人事だ」
「ですよねえ!! ロイさんはそういう人だ! ロイさんはそういう人だ!!!」
「お前ほんとひでえな。一緒に行ってやるから、な」
「はい、すみません。ありがとうございます。お手数おかけしますがよろしくご指導ご鞭撻のほどお願いします」
「心配すんな、骨は拾ってやる!」
「やっぱり死ぬ前提じゃないですか! はぁ。じゃあ、とりあえず戻りましょうか」
「そうだな。よし、行くか!」
「いくぞ、あるじ!」
こうして僕とロイさんとシャーリーの三人(?)で森を出て村に帰ることになった。
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