第26話 塩坑という手法
「左様でございますか。それでは塩の入手方法を検討されたいと?」
「そうなんだよルーク。だけど海は遠いみたいだし岩塩も村の近くにはないらしいんだ。なんとかならないかな?」
少々お待ちくださいませ、とルークは書店の奥に行き探しに行き、数冊の本を運んできた。
「タイチ様、こちらがナーバル村周辺の鉱脈地図となります。まずはこちらでご確認ください」
地図を広げると、ナーバル村周辺の地下にある鉱物資源の種類や分布、深度、厚さ、形状などが記載されている。
「え? これって?」
「はい、ナーバル村周辺の地下の状況でございます。塩に関してはこのような分布になっております。一番近い場所での採掘が望ましいですが、少々村人には厳しい場所になろうかと。こちらの場所の方がおすすめです」
「そうかあ、ありがとう。少し遠くなるけど安全に採掘できる場所の方がいいよね」
「はい。そしてこちらの鉱脈地図は今後も役に立とうかと思いますので、ぜひ熟読くださいませ」
「うん、ありがとうルーク。そうだよね、鉄や、ん? 硫黄? ん? これってまさか温泉!?」
「はい、地図上ではそう記されております。その他にも鉛や銀などもありそうですな」
「これはすごいことになるんじゃない?!」
「さすがタイチ様です。今後の村の発展をどのように進めていくのかも考えておくべきでしょう」
「そうだね。あ、ルーク、ルークはここから出られないの?」
「はい、私は『アンティーク・ノート』の執事でございますゆえ、ここから出ることは叶いません」
「そうかあ、残念だなあ。ルークがあっちにもいてくれれば村の問題解決はあっという間なんじゃないかと思ったんだけど」
「タイチ様。私はそちらに行くことはできません、しかしそれも図書券スキルをレベルアップしていくことで解決していくかと存じます」
「そうなの?」
「はい、図書券スキルは神から与えられた特殊スキルでございます。このスキルがどのような進化を見せるのか私も非常に楽しみにしております。存分にご活用くださいませ」
「うん! なんだか元気になってきたよ。ありがとう!」
「いえ、タイチ様。さしあたり塩の問題を」
「あ、そうだった浮かれちゃってたね、ごめん」
「こちらの本は塩を採取するために必要な知識となります。今回は塩坑となりますので鉱山の知識をご用意いたしました。ご確認ください」
「うん、ありがとうルーク」
塩坑かあ。さすがにこれは全く知らないなあ。
ま、塩のある場所はわかってるし、この本で坑道や採掘について勉強できるし、なによりも魔法があるからね。
なんとかなりそうだ。
アリアさん、喜んでくれるかなあ。
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