オヤジ狩りに行ったときの話
あれは僕が大学生だった頃の話だ。
友達と連れだって、『オヤジ狩り』に行った事があった。
普段オヤジ狩りに行くことはないし、初めて行く友達もいたのだが、皆一様にオヤジが好きだったので、その日を楽しみに待った。
当日は現地集合だった。
それは山あいに立てられたビニールハウスの中で行われていた。
『オヤジ狩り 1人2500円』と書かれた立て札が目印となっており、中からはオヤジ狩りを終えた人たちが続々と出てくる。
僕たちは予約した名前を告げると容器を受け取り、さっそくビニールハウスの中に入った。
そこには、普段スーパーでしか見ないオヤジが、たわわに実っていた。
予約したときに確認した通り、イケオジ、カンリショク、クタビレサラリーマン、イエイバショナシなど種類も豊富だった。
友達は皆、思い思いの種類のオヤジを狩っていった。
どのオヤジでも共通して言えるポイントは、オヤジを茎から収穫したら、靴下を脱がせて、酸味の強い足の方から頭に向かっていただく点だ。
そうすることで、オヤジ本来の渋みだとか香ばしさを味わうことができる。
僕はそれに練乳を追加するのがたまらなく好きだった。
頭からドップリつけたときに、オヤジが慌てふためく姿が堪らないのだ。
そうこうしているうちに、あっという間に時間制限時間になった。
その日は30人くらい狩ることができた。
僕らはどの種類が良かったかなど話し合いながら容器を返却しに行くと、少しヤンチャそうな見た目の若者集団がいた。
彼らはクタビレサラリーマンばかりを狩っていたようで、「やっぱり、オヤジ狩りと言ったらクタビレサラリーマンだよな!金も持ってるし狩りやすい!」とワイワイ盛り上がっていた。
僕もオヤジになったら、狩られないように気をつけなければと思った。
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