『どっこいしょ感想文』が苦手だという話
小学生の頃、夏休みの宿題でどうしても苦手だったものがある。
『どっこいしょ感想文』だ。
僕の周りでも『どっこいしょ感想文』が得意だという声はあまり聞かなかった。
夏休みの宿題で嫌いなものは?というアンケートで多く票を集めたどっこいしょ感想文。
なぜそんなに苦手なのか。
それは、普段『どっこいしょ』する機会が少ないからだ。
大人になると『どっこいしょ』するようになると聞いたことがある。
実際に大人になってみると、確かに自然と『どっこいしょ』するようになった。
しかも誰かに言われたわけではなく、自発的に。
しかし、小学生当時は友達と公園で遊んだり、ゲームをする方が楽しかったので、『どっこいしょ』に時間を割くことはなかった。
『どっこいしょ』したとしても、せいぜい薄っぺらい絵本や漫画本で、それでは『どっこいしょ』とは言えなかった。
けれど、提出期限は決まっている。
そこで当時、僕らはある方法をとった。
あたかも『どっこいしょ』したフリをして、腰だけ曲げるのだ。
そうすると、実際に『どっこいしょ』しなくても、感想文が書けた。
僕も友人も「腰だけ曲げて “腰が曲がるのはすごいと思いました” って書いておけば大丈夫でしょ。」などと話していた。
ただ、そんな姑息な事をしても、きっと先生にはばれていただろう。
そんな中、1年間で100回も『どっこいしょ』する学校きっての物好き、本多くんというのがいた。
本多くんは暇さえあれば『どっこいしょ』をしていた。
休み時間になると図書室へ行き、『どっこいしょ』をする。
図書室では『どっこいしょ』するための環境が揃っているのだそうだ。
一度、彼にオススメされたものを『どっこいしょ』したことがあるが、とても重厚ですぐに諦めてしまった。
その後、彼は『どっこいしょ』のしすぎで腰を悪くしてしまった。
『どっこいしょ』するのは、体の体操になるメリットがある一方、そういうデメリットがあることを肝に銘じておかなければならない。
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