第128話 ならず者国家の捨て駒兵

「イリス、チョッと待って」

「ん?ナオ何か気になる?」

「あの兵士達、隊長?あれだけならず者、他の兵士命令され利用されてるだけ」


「デイダ、その隊長は処刑!

 ツミヒ、500の兵士操れるか?」


 デイダは剣を抜き隊長の首を、一振りで切り落とした。

『主様、操れました』


「元捨て駒兵の諸君!カンゲイ神の神託は聞いて居ったで有ろう!

 私はカンゲイ神に全てを託されたイリス神である!!

 諸君は今、自分で考える事が出来るようになった!これから何を成すべきか気付いたはず!!

 我々は、シバレルの民を悪政から解放する!!共に闘おう!!」


 厳しい訓練を受けた軍人らしく、5列に整列した先頭の兵士が声を出した。


「自分は第一100人隊長イッコク!イリス神様に忠誠を誓います!!」

「自分は第二100人隊長ジージョ!イリス神様に忠誠を誓います!!」

「自分は第三100人隊長サンセット!イリス神様に忠誠を誓います!!」

「自分は第四100人隊長シークレット!イリス神様に忠誠を誓います!!」

「自分は第五100人隊長ゴシック!イリス神様に忠誠を誓います!!」


 左胸に拳を当てる敬礼は共通のようだ、500人全員が敬礼していた。

 竜達のお陰で、戦う事無く忠誠兵士500が手に入った。

 現地兵は、シバレルの地理を熟知して居て有り難い存在だ。


「第一隊長イッコク!貴官を総指揮官に任命する!最寄りの砦から順次制圧し、王都に攻め入る!!」

「王都で無く党都で有ります!最寄りの砦は南砦で有ります!ご案内致します!」

 ん?とう都?とはどう言う意味だ?ま、後で聞けば良いか。


 僕が味方の兵士と認識した事により、500の兵達は走る速度が僕達と殆ど同じになった。

 走りながら空を見ると、ゆっくり過ぎる速度では飛びにくいのか、随分ごちゃごちゃと金銀の竜が入り交じり、上空を覆っていた。


 行く手に砦が見えてきた。


 砦の防壁上では、監視兵達が不安そうに空を見てる。

 空一面の竜、不安にもなるだろう。

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