第127話 全てを潰して行く

 封鎖された門に向かう。

 不審者に見えたか?警備隊長に止められた。

「ここは封鎖して居る!シバレル連邦軍も不穏な動き!危険だから近付くな!」


 知名度は高いが、僕らの顔は知られて居ないようだ。

 国境警備隊の隊長は、結構位は高いだろうに、国王の顔を知らないとは……ここの兵達の国王はいまだにウエルズ公爵なのだろう。


 真剣に警備している国境警備隊、不敬をからかうのは気が引ける、素直に身分を言って…通してくれない。

「イリス国王様なら、尚更危険な事は止めて下さい!」

 駄目だ!この隊長頭が固くて融通が聞かない。

 所謂いわゆる世渡りが下手で、辺境に左遷される代表的なタイプだ。


「開けないなら、飛び越えるしか無いな!全員飛び越えろ!」


 まずデイダが助走して飛び越えた。

 リツとケイが直ぐ後を追って続けて飛び越えた。

 カツ町に向かった3人、息ピッタリの行動だ。


 3人でも500程度の相手楽勝だろうが、怪我でも負うと痛い思いをさせる、レイラやロイとミット、ナオにリタやマリにレインが次々飛び越え、心配だったサロメ親娘3人が飛び越えた。

 ツミヒが美咲姫とエリックの手を握り、飛行したのを見届け僕も飛び越えた。


 僕達の非常識な行動に、敵も味方もみんな驚いて、口を開けて固まっていた。



 取り合えず無駄だろうが説得してみるか。

「お前達は、開戦の切っ掛け作りの捨て駒にされて居るのは、理解して挑発行為を行って居るのか?素直に降伏するなら命は助けるが、どうする?」


「き、奇っ怪な集団!不法入国現行犯として逮捕する!」

「不法入国は貴様達の方だ!シバレル連邦の国境は遥向こうの丘で在ろう!!この地は我が国の領土である!!知らぬと惚けても事実は変わらんぞ!!」


『主様!久し振りの飛行、遅れて申し訳有りません!』

 見上げると金竜に銀竜が空を埋め尽くしていた。

 多いと思えば金竜の子達も連れて来たようだ。

 それだけで無く、銀竜も30人じゃ無い、50人は居る?


 竜の飛来に、シバレル連邦兵は心が折れたようだ。

 座り込んで震えてる。

「武器を捨て、降伏せよ!尚も敵対するなら飢えた竜の餌になってもらう!」


 金竜銀竜は子竜の飛行速度に合わせて、ゆっくり飛んで来たようだ。

 黒龍150人が僅かな遅れで飛来し、辺り一面、降り立った竜で埋め尽くされた。


 シバレル連邦兵士500人が、剣を腰から外し降伏の態度を示した。


「警備隊長!捕虜を拘束せよ!我々はこのまま進軍する」

 見守っていた警備隊長達全員敬礼してた。

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