第118話 様変わりしたゲンカイ村
取り残されたハンエイ子爵は衛兵を怒鳴り付けていた。
「お前達!せめて薪を拾ってくる手伝いくらい思い付かんか!!」
「我らは子爵様の護衛で有ります!余計な仕事は任務に有りません」
「処分は帰ってから行う、イリス王様を怒らせてしまったが犬ゾリは貸して貰えた!お前御者をせよ」
「自分は護衛で御者では御座いません」
「お前は…ではカスミ殿が御者をして下さったの、何も思わんかったのか?カスミ殿は王室特殊部隊の隊長だぞ!貴様より遥に上位の軍人だ!……もうよい私が御者をして帰る!お前達は乗る事は許さん!イリス王国での私の地位を
イリス王が柔らかく接してきたので、内心侮っていた公爵の次男は己の未熟を悔いた。
犬ゾリを見よう見まねで操り、ふらふらさせながらもハンエイ町に向かった。
残された護衛は、暫く走って追って居たが諦めたように歩きだした。
「おいオロ俺達護衛任務だよな?何を間違えた?」
「モノ分からんか?俺達の護衛対象の子爵様の身分はイリス王一行の中で一番低かった、俺達護衛は最低の身分だった。
その最低の身分の俺達が何も協力せずふんぞり返って居たのが間違った行動だったのだ」
「最低の身分?女子供ばかりだった。あれで俺達より身分が高い?」
「まずイリス様は国王で、連邦以外の全国を従えた大王様だ!この大陸で一番偉いお方がイリス大王様、次に御者をやってたカスミ殿は王室特殊部隊の隊長と言う事は伯爵待遇、レイラという少女は、ハンエイ子爵と同じ子爵様だ!お前が女子供とバカにした相手の、ツミヒ様、美咲姫様、エリック様はダンジョン妖精で神のような存在!イリス神様が使役してるから大人しいが、国を滅ぼすくらい楽にやる太古から生きてる化け物だ」
「知ってたなら教えろ!」
「情け無い事に、俺も今気付いた」
「俺達取り返しのつかん事をやってしまった、よく無礼討ちされずに済んだもんだ」
衛兵を除籍された、オロとモノの二人がどうなって行くか、別作品で会えるかも。
「ハスキ!もう一頑張り頼むぞ」
「バウッ!!」
イリスの声を掛けに群のボスのハスキが元気良く応えた。
大型犬ゾリは力強く引かれ、ぐんぐん速度が上がっていった。
気持ちよい走りが3時間ほど続いた道の前方に、町が見えてきた。
「レイラ?あれゲンカイ村じゃ無い!」
「ここはゲンカイ村のはずよ?」
門番なんて居ない村だったのに、誰か立ってる。
「あれ?髭の隊長さん?」
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