第114話 ギルド酒場のスープは旨かった
大中小3通りの犬ゾリの見本を置き、タロジロサブと5頭の計8頭の犬を宰相に預けた。
僕は犬ゾリにハスキをメインに、2頭の犬を左右に繋ぎハンエイ町を目指した。
犬ゾリの操作に慣れた、ナオと影2小隊長を指導者として残した。
僕に同行するのは、レイラにカスミ、ツミヒ達3人の妖精。
女性の体重なんて無謀な事聞けないので推測、ソリの全重量凡そ200㎏少しオーバー?今の所軽快に進んでる。
街道は真っ直ぐでは無く、街道の表示も無い、雪に埋もれて判別し難い道を見当付けて進むしか無い。
雪の下がどんな地形か分からず進むのは、結構不安だ速度も制限して走ってる。
雪上を滑るソリは、馬車より速く走る、本来なら快適な乗り物だが、オーボウ子爵の妨害でこの辺りの街道は通った事が無く初めてなので、余計気を使う。
オーボウ子爵とゴウマン伯爵領の距離、盗賊の森で砦を潰しながら10日掛かった。
街道を通れたなら5日の距離だったとか、犬ゾリで何日掛かるか?時々ツミヒが飛んで前方確認してくれてる。
『主様、少し行った所に街道宿場が有ります』
こんな感じで、雪に埋もれて野営する事無く順調に進んでる。
「ハスキ干し肉と水で良いか?」
「バウッ」
干し肉も調理用の塩分多目と、塩分なしの干し肉に普通に僕達がそのままかじる干し肉など色々並べてやったが、どれも関係無く食ったので塩分なしの大量にある干し肉を食べさせる事にした。
兔やネズミの内臓でビタミン類を取っていた狼達、干し肉だけでは栄養的に少し心配だが、考えてみれば僕達だって家出した時から何ヵ月も手製の干し肉と水で生きて来た。
永遠に常食させる訳じゃないし問題無いだろう。
犬ゾリは予想以上に速く走ったようで、旧オーボウ、ゴウマン領を4日で抜け夕方にはハンエイ町に到着した。
「懐かしい!門番さんお久し振り!」
「ん?い、イリス国王様!!」
「ハンエイ子爵邸までご案内致します!」
「冒険者ギルドに先に挨拶する」
僕を護衛するように5人の衛兵が先導する、子爵から指示がでているようで邪魔だけど無下には出来ない。
「特級冒険者と上級冒険者のイリスクラン、ギルドマスターのギュンタさんに挨拶に来ました!!」
「イリスさん!スープとパンを食べるか?」
ギルド酒場の大将が声を掛けて来た。
「丁度お腹が減った所!大将!6人分頼む!」
「座って待っててくれ!食ってたらギルマスもでて来る」
懐かしいスープにバスケット山盛りのパンが用意された。
「やっぱ大将のスープは格別だ!旨い!!」
「イリス、デイダ達にも食べさせてやりたいね!本当美味しい!」
「イリス王!ゲンカイ村を見て驚くぞ!」
テーブル席に座ったギュンタさんは、疲れた顔をしていた。
「ギルドマスター!お元気そうで何よりです」
「そう元気でも無い、ピサロを引き抜かれたのは痛いぞ、息子もサロメとリュウサを引き抜かれ弱って居る」
「サロメ
僕らはスープをお代わりし、バスケット山盛りのパンも食べ尽くしお代わりした。
これだけ食べても銀貨2枚と銅貨4枚、ギルド酒場から離れたく無いよ。
「ハンエイ子爵様が待って居る、帰る前にまた顔を覗かせてくれ!」
僕達はハンエイ子爵邸に向かった。
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