第113話 犬ゾリで行く

 ソリは犬1頭立ての小型、2頭立ての中型、3頭立ての大型の3通り作り収納し、大型をもう1つ作り犬達を慣らす練習用にした。

 イリス領都に帰る途中に、1頭の傷を負ったグラスウルフに出逢い、操り修復改造し11頭になった。


「イリス領都は凄く栄えて、良民は幸せそうだった」

「相変わらずナオは領主みたいな扱い受けてた。忘れがちだけど私達子爵だった、貴族に対する扱いと思えば間違いじゃ無いか?」


「ご主人様、貧民街の存在しない都市って初めて見ました!凄く豊かな領都になっています」

「何も問題有りませんでした、問題無さ過ぎて返って不安に成ります」

「オボロ?不安とはどう言う事?」

「人は、豊かで平穏な暮らしに馴れると、天災や有事に対応出来ないで他人任せの腑抜けた役立たずに成ります」


「成る程、オボロの感じた事は凄く良く分かる…元大工の頭領は平和な都市作りは出来ても軍事教練は出来んだろう…サコタ!」

「はっ!これに」

「これから代官のゲンに指示を出す!着いてまいれ!」

「はっ!」


 全員でゾロゾロ執務室に入った。

「代官ゲン!新な法令を出す!我がイリス辺境侯爵領は領民皆兵制りょうみんかいへいせいにする!15歳以上の男女は期限付きで軍事教練を義務付ける!!」

「軍事教練で御座いますか?」

「教官はオボロ将軍!」

「ご主人様?」

「サコタ!影1から順にオボロ将軍の補佐に当たらせよ!!」

「はっ!!」

「代官ゲン15歳以上の男女の名簿を提出!オボロ将軍と訓練兵の選出せよ!」

「はい!仰せのままに遂行致します」

「我が領民は超人になって居る!屈強な軍隊になる事を望む!!雪解けを待ちシバレル連邦が行動を起こすで有ろう!我が領民兵で撃破出来る位に鍛えてくれ!!全ての賞罰はオボロ将軍に一任する!!」


「イリス神様の、御心のままに!!」

「カスミ!オボロを助けるか私の守りを今まで通りするか、選べ!」

「ご主人様を守ります」

「即答か?出来ればカスミも表の仕事に着かせたかったが…」

(また機会はあるだろう)


 オボロの忠告で更に良い領都に成るだろう、丸投げして僕らはウエルズ公爵領都に向かう。

 積雪は更に増したようで、ハンエイ公爵領も雪に埋もれて居た。


 大型ソリを2台出し、1台にハスキを中心に2頭を繋ぎ3頭立てにした。

 もう1台にはタロとジロにサブと命名した、ハスキボスを補助するサブボス犬を繋いだ。


 ハスキのソリには、僕とレイラにツミヒと美咲姫が乗り、タロのソリには、ナオが御者でカスミとエリックそれにサコタの代理、影2小隊長が乗った。

 カスミと影2小隊長は、雪道を走るのは不可能と呼び出し犬ゾリに乗せた。


 雪に埋もれた街道を、2台の犬ゾリが軽快に進む、良いデモンストレーションになってる、街道沿いで人々が不思議そうに眺めて居た。

 ウエルズ公爵領都では、領民が宮殿まで着いて来る位に興味を持ったようだ。


「イリス神!これが雪道の交通手段か?斬新な乗り物じゃな?」

「ご覧の様に雪の上を滑る走行をします」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る