第98話 イプス

『後輩!名乗りなさい!!』

『先輩方失礼しました!薬ダンジョンのダンジョンマスター、イプスと申します!初めまして!アルフ先輩データ先輩!!』


『私は主様にツミヒと命名して頂いておる!ツミヒと呼べ!』

『私も主様に美咲姫と命名して頂いておる!美咲姫と呼べ!!』

『成る程!ツミヒ先輩に美咲姫先輩!お二人は解放されたのか…もしかして、神託のイリス神様が解放者ですか?』

『イプスは優秀ですね!その通り、貴方も主様に解放して頂き機能しなさい!異存はないでしょう?』

『ダンジョンマスターは雌雄の選択が可能、何故男を選択した!空気を読み女性に成りなさい!』


『容姿変更は…生みの親ドクターの亡くなった息子を模した容姿でして、変更が出来ない使用になって居ります…他に制限は有りません』

『変わった設定施された、ドクター?…まさか!禁止されてる死者を蘇らせる「反魂薬」が有るのか?』

『5階層のミスリルゴーレムのアイテムが「反魂薬」です』


『イプス、主様に使役して頂き、ダンジョンは入り口を閉じて休眠させなさい!』

『ツミヒ先輩、黒竜神に発見防止はそれ以外無いですね!私も賛成です』


『私も神託を聞いて居て、黒竜神の事を一番に思いました!

 イリス神様!命名をお願いします!!』

「(命名?薬…エリクサー…)エリク…エリックと命名!!」

『主様!以後エリックと名乗ります!』


『主様、全員で外に出ましょう!』

 ダンジョンを休眠させ、入り口を閉じる処理をするようだ。


 全員外に出た、エリックが入り口に触れて思念を送っているようだ。

 やがてダンジョンは音を立てて崩れ、入り口の亀裂も消えてしまった。

「これじゃダンジョン休眠じゃ無く、ダンジョン崩壊だよな?」

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