第94話 回転式リボルバー

 影達にダンジョン探索を先に頼んだのは、店の最奥に飾って有る物に注意が向いた為だ。


 騒ぎに成らないよう美咲姫は、ツミヒと一緒に目立たないよう後ろに控えてくれてる。


「店主、あれは火縄銃じゃ無いな!薬莢弾丸の回転式リボルバー拳銃で有ろう!見せて欲しい!!」


 銃器は男のロマンってお父さんが言ってた。

 エアガンの手入れしてるお父さんの側で見てた記憶が、オモチャじゃ無く本物の拳銃の事を『ガンファン』って雑誌で詳しく話してた。

「あれは最新式拳銃で御座います。流石イリス神様!一目で見抜かれるとは」

 店主が棚から降ろし拳銃を持って来た。


「中折の、回転式リボルバー拳銃か、弾込めが楽な銃でマシンガンと違って故障が少ない拳銃、命中度を上げる為なのか銃身が異様に長い、銃身にはライフリングまでしてる完璧!!……欲しい!店主値段は?」

 金貨1000枚の値札は付いてるが、値引きして貰える事を期待して聞いた。

「弾丸500発付けまして、金貨600枚にさせて頂きます!イリス神様、試射されますか?」

「撃ちたい!」



 裏庭は弓矢の試射場になっていて、銃器の試射も出来るようだ。

 弾丸の薬莢には発火の雷管が着いた本格的な物、よくも火縄銃からここまで発展させた!

 銃を中折れさせて弾丸3発込める。

 元に戻し撃鉄を引く、的に銃口を向け引き金をユックリ引く。

 大きな発射音の割に、反動をほとんど感じない銃口もぶれる事が無かったが、弾痕を見ると的の中央からはかなり外れていた。

 2射目、中心から二つ目の輪まで近付いた。

 3射目、中心の一つ外。


 空の薬莢を取り出し、つぶてのように的に投げた。

 中心、ど真中に当たった。

「礫を投げた方が、命中率と威力が有るようだ」


 レイラ達も撃ってみたいとかで、順に撃たせた。

 矢撃器を扱う、ナオにマリとレインは流石ど真中を撃ち抜いたが、矢撃器の方が良いようで、銃は欲しく無いそうだ。

 最新式で拳銃は2丁しか無いそうで、的のど真中を撃ち抜いた、カスミとオボロに与える事にした。

 店主が銃身掃除油(ガンオイル)と掃除道具を付けてくれた。


 ナオのお勧めでリタとマリにレインも刀を買う事になった。

 ナオが仕込めば3人も刀を使えるようになるだろう。

 レイラにデイダ、ロイにミットはクナイや3方手裏剣や4方手裏剣などが気に入って買っていた。


 僕?僕はつぶてを買ったよ。


 美味しい食事に満足したのは僕だけだったようで、純粋な和風料理は食材の味を生かした薄味で、レイラ達には物足りない味だったようだ。


 また訪れたい、未練を残し東列島王国をイリス一行は後にした。

 会見を楽しみにしていたヤマト王が、待ちぼうけ食らったとか。

 そんな事知らんがな!

 僕らはミサキが列島王国の女王だと思ってた。

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