第91話 美咲と契約する

 思考停止した様に沈黙してたミサキさんが復活したようだ。

『会いに来てくれて嬉しい!!先輩とイリス神、二人だけ奥に進んで下さい』


 促され僕とツミヒが、ミサキの後を着いて行く。

 しめ縄って言うのか、藁で編んだ綱をくぐり進む。

 暫く洞窟内を進むが、ダンジョンのはずが魔物が出ない。

「ミサキさん、ダンジョンなのに無防備ですね」

『私の許可無く進入すれば、迎撃されます』


『データ!ベルタとガムの消息掴んでるか?』

『先輩、もう少しでバンクに着きます、話はそこで……』

 何か重要機密なのか、話を反らされた様な?バンクってデーターバンク?

 階段を4回降りて、5階層が最深部はツミヒダンジョンと同じだな。


 ミサキは突き当たりの重厚な扉を開き、僕らを振り返り『ここがバンクです』


「意外に狭い部屋だね」

『部屋の壁は厚さ100㍍のデーター層になって居ります。

 データーは全て竜神の叡智に技術です』


『データ、道具のベルタとお酒のガムの消息は?』

『先輩、ご免なさい!他の最上級ダンジョンの情報がデーターに無いのです』

「僕に分かる様に話てくれないか?二人の会話意味が分からんのだが」


『入谷 進さん、貴方佐伯の入谷家の関係者ですか?』

「佐伯には祖父が住んで居ます」

『やはり子孫?私は佐伯領主の娘、土倉美咲!筆頭家臣の入谷家に嫁いだ者です、進君の家に美咲姫が嫁いで来たと聞いて居ませんか?』

「お爺ちゃんのお爺ちゃんのお爺ちゃん?が入谷進之介って言ってお嫁さんが美咲って聞いた事は有ります。

 お墓参りした時、進之介お爺さんのお墓と美咲お婆ちゃんのお墓在ったよ」

 小5のお盆に佐伯に行った時、ひいお爺ちゃんがしつこい位詳しく話してた、土倉男爵とは親戚だって。

 ひいお爺ちゃんには感謝だね!聞いて無ければチンプンカンプン意味不な話だった。


『決定ね!子孫君…では、ダンジョンマスターの解放契約しましょ!名前を呼んで!!』

「え?え~と…美咲姫みさき?」

『主様、契約完了です!アルフ先輩も宜しくお願いします』

『主様にツミヒと命名してもらった、以後ツミヒで良い美咲姫みさき!』


『最上級ダンジョンマスター二人と契約し、あの非情な神とも契約した主様は素晴らしい!』

「カンゲイ神と契約?して無い」

『神がイリスと命名して、主様は何を思った?』

「ん?え~と…『ジジイ何を言ってる』だったかな?」

『カンゲイ神がイリスと命名して、主様はジジイと命名した!対等契約した事になるよ、神が我が友と言う位対等』

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