第89話 東列島王国上陸
偏西風は凄まじく吹き荒び、港を出航して僅か50分で東列島王国の西にあるデジマ市に着いた。
「出島か、列島王国は鎖国しては居ないのか?」
「ご主人様、ナカエ帝国としか貿易して居りませんが、デジマ市は自由貿易港で有ります!」
見慣れた石造りの家がチラホラ見えるが、多くの家は黒い瓦屋根に土壁の表面に白い漆喰を塗った和風建築が建ち並ぶ。
住民はチョンマゲ?時代劇の頭をしている。
「サコタ!チョンマゲ?」
「ご主人様!ご存じで有りましたか!」
「剃髪しては居ない、皆浪人スタイルだね」
「剃髪もご存じで?身分の高い者は剃髪する者も居ります」
港を出て直ぐの所、入国審査所『セキショ』に案内された。
「入国の目的は?」
『ダイカン』と名札を付けた役人が審問して来た。
「このお方は世界を纏める大王様!イリス神様で在らせられる!」
サコタが僕の前に立ち、口上を述べた。
「こちらのお方は、解放神様の2千歳先輩の竜神様で在らせられる!」
カスミが口上を述べた。
「我々は、ミサキ様の聖洞にイリス神様ご一行を案内して居る!」
オボロが纏めた。
「ま、まさか!イリス神様が訪問して下さった!!
解放神様が『全力でイリス神様に連絡をとれ!!』と神託出されたのが今朝で、ご訪問有り難う御座います!!」
何かすんなり入国審査が通り、解放神の聖洞に向かって居る。
走れば直ぐのはずが、役人が露払いして先頭を行くもので、非常にノンビリ歩行、ありがた迷惑な道中になった。
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