第86話 エリス達の処遇

 話をするとエリスの優秀さは秀でてるが、他の教徒達が酷過ぎる。


 しかし冷静に考えると、読み書きが出来て従順、買い出しと宣教活動で体力は普通人以上有る。

 戦闘はダンジョンに交代で入っていたので、12歳以上の男女はそこそこ戦える……金貨主体の買い物で、金銭感覚は矯正しないといけないが、冒険者に転職させれば思いの外優良人員では無いか?と思えて来る。


 ただ命令されないと、何もしないし考えない自発行動しない。

 エリス以外は、人間で無い何か別の生き物と言われたら納得してしまいそうな異質さのある人々が教徒だった。

 エリスは1000人の教徒の世話をよくやって来たものだ。


「ナオこれを見てどう思う?」

「逆らわず言いなりに使える者にする、洗脳教育を施した」

「洗脳だろうな…ツミヒ洗脳解除出来る?」

『洗脳解除は無理かも、イリス王国を発展させる為の民に成るよう上書き矯正なら出来る』

「上書き矯正?」

『いつもと同じ処理』

「今より悪化しなければ良い、やって!」

 いつもの様にツミヒが光った。


 ツミヒの操り、いつも結果しか見て無かったが、今回はビフォーアフターの観察が出来た。

 無気力無表情の人々に、ツミヒの操りは劇的に表情をよみがえらせた。

「これで大丈夫な気がする」

『従順に命令を聞く様に、幼少より洗脳教育を繰り返されて居たので操り易かった。これからはイリス王国のためになる事を考えて実行する』




「エリス!ナカエ帝国に様子見に行く!直ぐに戻るが、相談役にロゴス将軍を残す」

「はい、イリス神様お気遣いありがとうございます」

 ロゴス将軍は少し不満そうだが、僕の命令に異議は無いようだ。


 門を出て、数歩歩けばナカエ帝国領に入る。


 我々の動向を伺って居たようで、即帝国兵が姿を現せた。

「イリス王国、国王イリス神とお見受けする!皇帝が会談を望んでいます、あちらに見える邸で皇帝が待って居ります!ご案内致しますどうぞ」


 邸に入ると皇帝が立ち上がり、僕達を迎えた。

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