第77話 エズキ公爵動く
ほぼ無人に成りつつある王都、その南に隣接するエズキ公爵領は完全に無人になって居た。
「最近市内が静かで有るな?誰か理由を知って居る者は居ないか?」
答える者が居ない静寂の邸内、逃げ出すタイミングを逃し最後に残った厨房の料理人も朝食の準備をして逃げ出した。
呼べば直ぐにとんで来る官僚に近衛兵も居ない、邸内が何故無人なのか、馬車は有るが馬屋に馬が居ない、理解出来ず癇癪を起こしながら門番の居ない門を出て市内を歩くエズキ公爵、市内も無人だった。
エズキ公爵はバカだが身体は鍛えている、かなり歩きスラム街にやって来て、人が居るのでほっとした。
「おい!そこのお前ゲスナは居るか?」
「へい、親分なら市内の残り物を漁って居ります!」
「邸内も市内も無人なのはどう言う訳か?」
「へ?公爵様はご存じ無い?東に有る王都門前町まで、イリス王国になって、農民やら職人が最初にイリス王国に逃げて、兵達に官僚達も難民としてイリス王国に向かい誰も帰って来ません」
「イリス王国だと?何だそれは!」
「シタエズ王様が兵を引き連れ、ウエルズ王国に進軍返り討ちにあい全滅、逆にウエルズ王国のイリス侯爵が進軍して、シタエズ王国の半分が占領されて居ります」
「イリスとか言う奴の無法は許さん!!ゲビタ伯爵、ゲロワ伯爵、ニンピ伯爵に小飼の貴族を召集し、イリス攻めを命じて来いとゲスナに伝えろ!!」
ゲスナの参謀役ショカツは考えた、自分達はならず者チンピラの集まり、殺人を含めた数々の無法を繰り返して来た、それも最大権力者エズキ公爵の目こぼしあっての行為、だが現在これ程話題になっている事を知らずに居るエズキに従って居て先が有るのか、各貴族に召集連絡をして後、見限った方が得策に思えた。
「親分に要相談だな」
ゲスナ達は王都西に隣接する3伯爵には、違法連絡で度々訪れて居る、伝言連絡は簡単な仕事、即終わらせて何処かに消えて行った。
エズキ公爵領は完全な無人になった。
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