第74話 影が喜んだ

「影!新な任務を与える」

 影1と5人の隊員が、嬉しそうに現れた。

「監視地に異常無き場合、影全部隊をこの地に召集せよ!!

 影1を中隊長に昇格する!!」

「「「「「「はっ!!」」」」」」

「中隊長はこの場に残れ!他の者は任務遂行!!」


 嬉しそうな顔の影達がサッと消えた。

「中隊長、名を聞いて置く」

「サコタで有ります!イリス王様」

「サコタ?出身は東列島王国か?」

「流石イリス王様!名だけで分かりますか、ご推察通り列島王国の出で有ります!」

 和名っぽいので当てずっぽう言ったが、正解だった。

「列島王国でミサキの噂を聞いて居ないか?」

「ツミヒ様との会話聞いて居りました!身分をわきまえ進言を控えました」

「知っているのだな!」

「カスミ隊長もオボロ隊長も知っている事実、ミサキ様は解放神様です!イリス使徒様と同郷の神で御座います!」


 ミサキが解放神?ダンジョンマスターの能力が有れば……ミサキもツミヒと同じ竜神の姿なのか?

 それより、カスミ隊長?オボロ隊長?

「カスミにオボロ、二人は隊長だったのか?」

「「はい」」

「隊長が奴隷の首輪を付けたままでは不都合が有るな、首輪を外し二人を解放する」

「奴隷で有っても解放されても、命を助けて頂いたご恩、生涯の忠誠を誓います!!」

「私も放置プレイで変な感情が芽生えました!もうイリス王様から離れられません!!」


「オボロ!イリス王様が困って居られる!あれだけの美女に囲まれ禁欲を貫かれて、きっと世界統一されるまで願掛けされて居る様子!今はイリス王様のお役に立つ事だけ考えましょう」


 世界統一?願掛け?カスミも何を言ってる?僕は12歳だぞ!禁欲も何も無いだろう!

「カスミにオボロはシタエズ王都の状況偵察に行け!

 念入りに調べる必要は無い!ゲロだったか?それ以外の邪魔者を調査して帰ってこい!!」

「「はっ!直ぐに調べて参ります!!ゲロで無くエズキですよ」」


 言い残し、カスミにオボロが消えた。


「サコタ、ミサキの姿はツミヒと同じか?」

「申し訳有りません、解放神様は神託のみで、お姿を見た者は居りません」

「神託はどの様に降りて来る?」

「聖洞に踏入ますと、希に神託が降ります」

 聖洞とは、ダンジョンだろうな、シタエズ王国なんて放って置いて今すぐ東列島王国に行きたい!……そうも行かんか、飢え死にしそうな人達を見捨てては置けん。


「さっさとアホ貴族討伐してサコタの生まれ故郷に行くぞ!」

「是非お供してご案内致します!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る