第73話 ツミヒの操り

 ロゴス将軍は、僕と話す時と違って威厳が有るな!

 場違いな思いが浮かんだ。

 ツミヒが、何か輝いて見える…いや、マジ光ってる。

『主様が美味しい物一杯食べさせて下さるので、元気一杯で力が溢れます!』

「ツミヒ?何かやった?」

『帝都民全員操りました、主様が仰る脂身に全員反感を持って居たようです、哀れな事に醜い脂身に妻子まで嫌悪して居た様です』


「そ…そうか、良くやった」

『主様の為なら、何でも無い事です、申し訳有りませんが王都までは操れて居りません』

「王都まではだと?どの範囲まで操った?」

『この辺り一帯全て届きました』

「ツミヒは凄いな!何でも出来て」

『何でもは出来ません、出来る事は限られて居ます』


 ツミヒには出来る事と出来ない事、全て聞いて置いた方が良いな。聞く暇が無いのがもどかしい!


「親豚は討伐したが、子豚一家と忠誠者3人縛ったままで忘れてた」

「イリス王、公開処刑済みで有ります」

「そう…か、もう少し見目が良ければ奴隷商に売りたかったが、あれでは」


 僕が忘れてる事、周りが代わって進めてくれるのは有り難い。

 命令指示を与えなくても、僕の意向に反する事が無いって凄い事だ!僕は居なくて良い不要じゃないか。


 ◈◈◈


 閑話で読者の腰を居る行為は好ましく無いので、触れていなかったが皆さん影小隊は覚えて居ますか?

 影2から影5は引き続き、元侯爵領と元3男爵領の継続調査の任務中である、彼らはまだ良い。

 可哀想なのは影1小隊、イリスの身辺警護の任務は解かれて居ない、イリスに存在を忘れられながらも配下と認められた時から超人的力が着いて、イリス達の無茶苦茶な移動にも辛うじて着いて行けて、真に影ながら警護している。


 本当に可哀想なのは奴隷にされ、別動隊身辺警護の任務を与えられたカスミとオボロの二人、イリスが配下と認めて居ないのか、それとも暗殺実行犯と言えど任務として命令されだけの二人の命を助けて満足し忘れたのか、能力は全く変わらずイリス達の移動に着いて行くことも出来ない二人、影1隊員に哀れに思われ背負って貰っての移動で辛うじて、イリス警護の任務は出来て居るが、別動すると置いて行かれるので今では影1と行動を共にしている。



「オボロどうすれば良いと思う?」

「罰は覚悟で直訴しか無い!」

「二人で直訴しよう!」

 オボロとカスミは意を決してイリスの前に現れた。


「ご主人様!お忘れでしょうが、奴隷にして頂いたカスミとオボロで御座います!」


 ◈◈◈



 ツミヒと会話中、突然現れた奴隷の首輪をつけた二人に、僕は目をパチクリして驚いた。

 罰を承知で直訴して来た内容に、僕は深く反省した。


 二人は僕に忘れ去られた現状、別動隊警護の任務は困難な為、影1小隊と行動を共にしているそうだ。

 二人の存在を僕が再認識した事で、二人の超人化が始まった。

 影1小隊の存在も忘れて居た。

 サロメに行って貰わなくても、影を走らせればウエルズ王に報告出来たものをあっサロメはどうしてる?

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