第63話 ウグイスあん団子

 母さんのお陰、僕って意外に何でも出来る。

 母さんは娘と一緒に料理するのが夢だったとか、だからって僕に料理させるって嫌だったけど、今は凄く役に立つ記憶だ。


「イリス?そんなにお砂糖使って、食べて気持ち悪く成らない?」

「お菓子だから、これくらいで美味しくなるぞ!」


 予め丸めたご飯の塩団子に、出来てまだ温かいウグイスあん(結局えんどう豆で作った)を回りに着けた物を、レイラの口に入れてやった。


「ん?んん?美味しい!!!何これ?オカシって甘くて美味しい!!!」

「甘いあんが、塩味の利いた団子で甘さを引き立てるだろ?」

 塩味を上手く使うと甘さが益すって、母さんの受け売りだけど、上手く出来た。

「「「「「「「「「「「「イリス!!早く作って!!」」」」」」」」」」」」


 レイラやナオ達も、あんこで被うの手伝ってくれて、物凄い量のウグイスあん団子が出来た。


 本当は明日朝の『目覚まし』に食べて元気になってもらう為に作ったけど、兵達まで食べたくてウズウズしてる。


 ぶどう酒ジュースを全員に配り、ウグイスあん団子の試食会が始まった。


 一番に頑張って生き残った子供達36人に食べさせた。

 レイラが旨そうに食べたのを見てた子供達、一斉に飛び付いた!!

「「「「「「「「「「う、旨い…甘いって、こんな味なの?」」」」」」」」」」

 あん団子をパクつき、ジュースをがぶ飲みしてた子供達が、突然食べるのを止めた。

「どうした?何か変か?」

「「「食べたいのに、これ以上食べれない!!」」」


 食べ物が無くて、少食になれ過ぎて胃が受け付けん!って奴か。

「明日また食べれば良い、安心してユックリ寝ろ」

「「「「「うん!寝る、兄ちゃんありがとう!!」」」」」


 篝火の回りに丸くなって、子供達が寝息をたてた。

 食べたかっただろうに、子供達に足るだけ食べさせようと、見守ってた皆が一斉に食べ出した。


「「「「「「「「「「あっ!甘い!美味しい!!」」」」」」」」」」


 兵達も飲み食いを一緒にしている内に、遠慮が無くなった、おっさん達が物凄い笑顔でウグイスあん団子をパクつくの、かなり笑える。


 砂糖が手に入り難い、砂糖の採れるダンジョン早く見付けないと、ジュースにお菓子広めようが無い。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る