第61話 ヒンス村は瀕死状態
「……ゴーストタウン、じゃ無いゴーストビレッジ?死に絶えた無人の村?」
「変で有ります!15日前村長が麦を納入しに来て居りました、荷車押して来た村人も5人居ました」
「納入って?」
「ウエルズ王国に攻め込む為の兵糧の納入でした」
ゴヒン村もヒンス村も、越冬の為の食料を取り上げられ、瀕死状態か……。
水が飲めれば食べなくても、10日は生きられるが15日経ってる……。
「カンゲイ神!こんな酷い世界に呼び付けるなら、せめて回復魔法、転移特典くれても良いだろう!!僕は非力過ぎる!僕は……」
僕は思わずあのじいさんに文句を言った。
❰イリス、済まん事だ。儂はイリスが困らん様にチートの数々準備して居ったが、授けるのを忘れた、本当に済まん!!遠く離れた今では
じいさんの声が頭に響くと、何かが身体に入って来た、不快なものでは無い、温かく包み込まれるような心地良い物に満たされた。
「僕の思いが届いたのか?」
神力を振り絞り、無理な加護を贈ったカンゲイ神は眠りにでもついたのか、声が聞こえなくなった。
「生活魔法に鑑定を授けるって聞こえた…鑑定を自分に掛けたら、ステータス分かるかも……自分を見る…鏡の無い世界…」
手を見て。
「鑑定!」【イリスの右手】
そんなの鑑定せんでも知ってる!
「鑑定!!」【イリス、カンゲイ神が召還した日本人】
おっ!ちょっと変わった。
「鑑定!!!」【カンゲイ神の加護「依怙贔屓」「生活魔法」「鑑定」】
「生活魔法を鑑定!」【着火、水滴、風、照明、手当】
「手当を鑑定!!」【傷の治癒小、体力回復小、
ふぅ……鑑定面倒臭…へばってる場合じゃ無い!
「皆!炊き出しの準備!!
ロゴス将軍村長の家に案内して!
兵20人付いて来い!!」
ロゴス将軍の案内で、ヒンス村長の家に入った。
老夫婦が抱き合う様に倒れている。
「手当!」「手当!!」「手当!!!」「手当!!!!」「手当!!!!!」
奥さんが目を開き、口を開け何か言ってるが声になって居ない。
「僕は、この地を統治する事になったイリス王です、村人全員助けて来ます!
兵1人村長夫婦に付いて介護」
こんな感じで全ての家を回った。
へとへとになって頑張ったが残念ながら、赤子老人9人の命を助ける事が出来なかった。
なんとか生き延びた162人の村人が、炊き出しを食べて泣きながら感謝してくれたが、無責任で己達の事しか考えない王族と貴族どもに、煮えたぎる怒りを覚えた。
「皆!疲れて居ると思うが、ゴクヒン村はもっと酷い状態と思う!一人でも多くを助けるため駆け付ける!付いて来れる者走るぞ!!」
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