第51話 ボロッチイリッチ

『主様、この階が最上階です』

「4階でおしまい?」

『はい、生まれ変わって誰も何も入って来なくて、成長できて居ないダンジョンです』

「これで終わりなら1階に降りてお米もう少し増やしたい」

 ツミヒとのんびり話してる今も、皆はボロッチイゾンビ?と闘ってる。


『それは無理です、タワー型ダンジョンは踏破した階より下は、空白状態になっています』

「ん?空白?何も無くなってるってこと?」

『はい、この最上階を踏破すれば、ダンジョンは死に何処か違う場所で生まれ変わります、タワー型ダンジョンの特長です。

 因にゾンビでは無くリッチです!ダンジョンボスはリッチキング』


「リッチキング?」

『はい、そこの玉座に座っています、私が押さえて置きます!主様討伐して下さい!』

 折角ツミヒが言ってくれてるので、僕は超剣を取り出しリッチキングに斬り掛かった。


 スカッ「あれれ?斬ったのに……」

『主様!普通の剣は通用しません!この剣を使って!!』

 流石竜神の能力を模して誕生したツミヒ、ライトセイバー?の様な光剣を造ったのか渡してくれた。


 誕生間無しのダンジョンボスはもろかった。

 光剣の一撃で消滅した。

 リッチキングを僕が倒すと、ボロッチイリッチは消滅した。

 みすぼらしい、ちっともリッチに見えない魔物だった。

「あれ?まだ怨念の影響残ってる?」


 アイテムの大きな袋の中は、粒々が一杯入ってた。

 皆が回収した袋も小さい袋だけれど、粒々が入ってる。

「イリス嬉しいコショウ」

 粒々はコショウの実だったのか。


「食物ダンジョンは探索していて楽しいね、消滅するのは残念だ」

「塩砂糖コショウは嬉しい!コショウは特にお肉を美味しくする」

 マリは調理担当してくれてる、美味しくなるのは嬉しい。


「帰るか…腹へった」

『主様、このまま居れば、間も無く外に弾き出されます』

「危険はない?」

『大丈夫です、ツミヒダンジョンの隣に……』

 成る程こうなるのか。

 僕達は消えたタワーダンジョンの跡地に立っていた。


「これからどうする?町に帰る?」

『主様、残り二つのダンジョン探索されないのですか?』

「残り二つ?一つでしょ?」

『まだ二つ在ります、近くに…1日程の所に一つ、5日程の所に最後のダンジョンが在ります』

「だそうだが、皆どうしたい?」


「私は1度町に戻ってから、ダンジョン探索に向かいたい」

「僕も町に戻って、ツミヒとゆっくり話たい、それに1の町や村の進行状態に食料事情も調査しないと、住民が飢えるような事にはしたく無い」

「お腹空いた!」


 僕達は走って町に帰った。

 ダンジョン魔物殲滅、特に高難易度ツミヒダンジョンの影響は大きいようだ。

 都市になりつつある町に早朝帰る事が出来た。

「何か日にちの感覚がずれたような」

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