第50話 タワー型ダンジョン

 ゴーストに剛剣で斬り掛かり、格を破壊した。

 小さな袋を落としゴーストが消えた。

「あっ!!お米だ!!」

「イリス家畜の餌、茶麦だよ」

「お米だよ!茶色く無いでしょ」

「茶麦の籾殻を脱穀して、精麦すればそれになる」

「イリス、ゲンカイ村で食べてた、麦粥ってこれだったのよ!覚えて無い?」


「えぇ~~っ?僕は気付かずお米のお粥食べてたの?

 そうか!麦の脱穀と同じ、お米も脱穀しないと籾殻が邪魔で食べられ無い。

 日本の記憶とこっちの知識、別物と思わず纏めればよかったんだ!」


 ゴーストの残すアイテムを、僕だけニコニコ笑顔で回収してた。

 皆は家畜の餌を食べさせられた、ゲンカイ村の事を思い出して渋い顔になってる。

「お米は手に入った……けど炊飯器が無い!どうやってご飯炊けば良いのか、レイラは…任せたらお粥にするだろう」


 皆はゴースト倒し米袋を僕に押し付ける。


 変な感じ階段を登るって、帰ってる気がするよ。

 2階に上がった。

「あははっマンガみたい!」

「イリス?マンガって何?」

 骨だけの魔物スケルトンを見て思わず言った事にデイダが反応した。

「ゴメン日本の話、あんなのが描かれてた、ホネホネロック♪」


 スケルトンも、格の辺りを一撃で砕け散って消えて行く。

 米袋より小さい袋を落とした。

 中は白い粉「食べ物だよね?」勇気を出して舐めてみた。

「塩だ!料理に助かる……骨骨が落とすのがちょっとって気はするけど、塩は有り難い!」


 幽霊が米を落とし、スケルトンが塩を落とす…炊きたてご飯の塩握り飯しおにぎりめし出来るけど……料理上手な幽霊さんの話読んだ覚えがある、偏見はダメだね、何が落とそうがアイテムは本物、誰が作ろうが美味しい料理は正義だ!


 塩も当分困らない量が手に入った。

 食物ダンジョンは良い!!


 3階に上がった。


「ユラユラ青く燃えてる、これは何?」

「怨念」

 ナオは流石によく知ってる、冒険者経験が違うって感じ。

「怨念が居んねん……あははっあははっ」

 一人で言って、自分だけ受けてる!

「あははっあははっ」

 ツボに嵌まった!笑いが止まらん。

 皆はまた日本を思い出してると思い放置された。

「あははっあははっ」


「イリス?怨念にやられた?」

 笑いが止まらん僕を皆が心配しだした。

「あははっあははっ、違う!オヤジギャグ…日本の…あれれ?ちっとも可笑しくない?怨念に当てられた?」


 怨念の被害者僕だけ。

 皆は格を破壊して、順調に殲滅してる。

 僕が変になってる間に3階を制覇してた。

「怨念…プッ…何を落とした?」

『主様、ちょっと動かないで』

 ツミヒは僕の後頭部に手を置いた。

 何か暖かい物に頭が包まれた。

「ツミヒ、ありがとう正気に戻った」

 怨念は、精神が一番脆弱ぜいじゃくな僕を集中攻撃したようだ。


 怨念は砂糖袋を落とした様だ、結構大きな袋1㎏位ありそうだ。

 3階は僕以外は楽勝だったみたい、笑って居る内完全制覇は楽勝だよね……負け惜しみじゃ無いよ。


「まだ上がある!」

 僕を後ろに押して、ナオとデイダが先頭で4階に上がった。

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