第48話 ツミヒちゃん
「罠じゃないって言ってる」
「その羊皮紙って通信装置になってる?」
「詐欺師が私は詐欺師です、とは言わないよ」
羊皮紙の文面が変わった。
『イリス様にお会いするため、4階層に上がりました。攻撃しないで下さいね』
僕らは既に3階層に上がる階段前だ、遥か山裾の洞窟から人らしき姿が現れた。
ゴマ粒位にしか見えないので、男女の判別も出来ない。
「わざわざ会いに来てくれた、僕は会いに行くよ」
「「「私は着いて行く」」」
ナオにレイラ、ピサロが同時に言った。
『追伸
4人で来て下さい、イリス様の好みの容姿になって来て居ります』
「会わなくても会話が出来てる、ここで用件を聞こうか?」
『追伸の追伸
意地悪言わないで下さい!1万年と2千年前からお待ちして居りました!!会って下さい!!!』
歩きながら冗談で言った呟きに、必死で答えてる。
「あははっ何かこのダンジョンマスター可愛い!ツミヒちゃんって感じ」
歩いても僕達の速度は速い、ゆるふわの金髪が背中まである少女がニッコリ笑ってる。
『
「イリス様から主様に呼び名が変わった?どう言う意味?」
『私がイリス様を気に入りお会いして、イリス様は私に命名して下さった!契約成立してイリス様は私のご主人様になりました』
笑顔のツミヒちゃんを見ると首は金の鱗に覆われてる、竜の尻尾もある。
(ダンジョンマスターって言うくらいだから、人とは違うようだ)
ツミヒは1階層の入り口より奥に、人が来た事がないダンジョンのダンジョンマスターを1万2千年続けて居るそう、誰も入って来ないのでツミヒダンジョンと呼ばれて居る事も知らない。
高難易度を物ともせず、ダンジョン5階層まで来てくれる人をずっと待続けて居たそう。
「こんな高難易度のダンジョン踏破は無理だよ」
『主様は踏破されて来て下さいました』
「それは、皆の助けが有ったから、ツミヒちゃん聞いて良い?」
『何でも聞いて下さい!私の
「待った!読者も聞いてる!それは後からコッソリ聞く、聞きたいのはダンジョンとは何だ?」
『ダンジョンは、入り口をこの世界に置き、身体を亜空間に置いた擬似生命体です』
日本の記憶が役に立ってる、カンゲイ世界の人には理解出来ない衝撃の事実が語られた。
カンゲイ神が人を創造して1万年経ったそうで、それ以前にカンゲイ世界で繁栄していた竜神が力の貯蔵庫としてダンジョンを造ったそうだ。
この世界の人間って、たった1万年前に誕生したってこと?
「竜神って神様?」
『生命すら造り出せる者達でしたが、神では有りません私の容姿は竜神を
「ダンジョンマスターのツミヒちゃんは竜神でも有るのか」
『ダンジョン内では創造神に近い存在です、この力全て主様の物です!』
「不都合が無ければ、難易度を大巾に下げて欲しい、一般冒険者が探索出来るレベルに下げて」
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