第47話 ダンジョンマスター
次々と飛竜が襲ってきた。
矢撃手7人の連射が始まった。
僕らは、落下してもがく飛竜の首を斬り落として回った。
暴れる竜を仕留めるのは大変だ。
巨大な飛竜15頭との激闘は、長時間に渡った。
「疲れた…身体はまだ動くが気力が萎えた」
苦労の結果、たった15枚の金貨を見ながら呟いた。
矢撃手7人のお陰で飛竜も倒せたが、5階層に降りる気がしなくなった。
「ここまでは皆のお陰で来る事が出来たが、5階層はこのメンバーでも
「イリス様!ギルドマスターとして探索続行を望みます!5階層に降りて階層の確認、出てくる魔物確認をして帰る事…冒険者ギルドに探索報告完璧にしたいと思います」
「……僕にレイラとナオ、ピサロさんの4人で確認調査に降ります。他のメンバーはこの場で待機して下さい!クランリーダーの命令です!
僕達が30分待って帰って来なかった場合、僕らは死んだと思ってデイダの指示に従って帰るよう」
デイダは不満そうだが頷いてくれた。
「イリスの指示に従うが、無事帰ってきてくれ!僕ではイリスの代わりは出来ない!」
「イリス…同行させてもらえるのは嬉しいけど、命懸けの価値って無いと思うよ」
レイラはお姉さんに戻ったような意見を言う。
「イリスは必ず守る!今までの恩をかえす!!」
僕は散々便利に利用しただけなのに、ナオはこんな事思ってたのか。
「イリス様、無理を言って申し訳ありません」
ピサロさんは、ちっとも申し訳無いって顔じゃない。
「確認調査、危険を感じたら直ぐ中断して撤収する!行くよ!!」
山裾の洞窟に入って行く。
洞窟は奥が無く、直ぐに階段になっている、僕らは階段を降りた。
5階層は果ての無いジャングル、所々に見えるのは双頭から九頭までの
「止めた!糞ダンジョン!!」
皆も無理と思ったようで、降りて来た階段を引き返そうとした。
「イリス、突然宝箱が現れた!」
「ん?回収だけして4階層に戻る!!」
ナオは二つの宝箱を収納袋に回収して登って来た。
僕達を見てデイダが安堵の表情をした。
「首が一杯ある巨大竜がジャングルに居た、あれは無理だ!命懸けで倒して金貨何枚になるか、挑む価値なし!!糞ダンジョンだった!!」
「あれ?イリス、また宝箱が出た」
この階の飛竜は殲滅した、今は安全とナオはその場で宝箱を開いた。
「イリス!ミスリルのお金」
「ミスリル貨なんてあるの?」
「採算が合わないから造幣して居ないだけ、王のコレクション宝物庫にはあるそうよ」
「同じ理由、賎貨も採算合わないから造幣して居ない」
「ハンエイ公爵が賎貨買い取る時に言ってたな、造幣って何処でやってる?」
「ハンエイ公爵が一手に行ってる、公爵領が万全で栄えて居るのはお金を造って大儲けしてるからと言われてる」
「イリス、5階層で回収した宝箱、ミスリルインゴットが10本ずつで20本入ってた」
「何かダンジョンが、ショボいとか糞ダンジョンとか言われて、引き返す僕達を止めようとしてるみたい」
僕の呟きに答えるように、ダンジョンが震えた。
「ミスリルインゴット20本って金貨1万枚って事?」
「あっ?羊皮紙が出てきた」
渡された羊皮紙には『イリス様、私に会いに来て!ダンジョンマスターより』
と書かれていた。
「ダンジョンマスターが僕に会いたいそうだ」
「罠じゃ無い?」
羊皮紙に追伸『罠と違う』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます