第45話 母娘3人クラン入り

「ピサロ?」「お姉ちゃん?」

「母さんは兎も角、何でリュウサが居るの?」

「ピサロさん久し振り、僕の町のギルドマスターに就任したの?」

「はい!イリス侯爵様!」

「イリスクランはツミヒダンジョン探索の指名依頼を受けて遂行中です」


「それで?母さんとリュウサは?」

「リュウサさんは、イリスクランに入りました、サロメさんはツミヒダンジョン探索期間限定でクラン入りしてます」

「今の私は、お姉ちゃんに負けない!」

「……それじゃギルドマスター権限で、私ピサロはイリスクランに入り行動を共にします!」

「えぇ~っ」

「同行します!」

「はい」

 この母娘、根本が同じだね、リュウサさんは違うと思ってたけど、自信が付いて来たら同じだった母娘おやこだね。


 母娘おやこ3人がクラン入りをし、総勢14人でツミヒダンジョンに向かって走った。



「この辺りにあるはずなんだけど…」

 やっぱ僕が先頭走り、皆を引き連れて行くのは無理が有った。

「ナオ、ダンジョン探して」

「イリス?探すも何も、ダンジョン入り口はそこ」

 ナオがそこって指差した所、林なんですけど……

 皆林をかき分け進んで行った。

(何?分かって無かったの僕だけ?)


 ダンジョンは何か匂いでもするの?

 くんかくんか…違うな!何も匂わん、気配か?…何も感じん。

 悩みながら皆の後を追った。


 ダンジョン入り口は、鬱蒼うっそうしげった林に隠されていた。


「情報では高難易度ダンジョンで、1階層ですら踏破出来ず放置状態とか、皆油断せず各々それぞれの得意武器を構えて!」

 ナオ達3人は矢撃器を構え、僕達5人は剛剣左腕にバックラー装着、リタ達女性3人は剛弓を構えた。

 サロメさん母娘はお揃いの剣を構えてる。


「気を引き締めて!!入るよ!」

 僕とデイダにレイラが先頭でダンジョンに入った。


 グラスウルフが唸って向かって来た!

 グラスウルフが飛び掛かるタイミングで、デイダが剛剣を振るった。

 真っ二つになったグラスウルフは、落ちると同時に消滅した。

「せこい!!」

 レイラの声、どうしたのかと見ると賎貨1枚見せてくれた。

「グラスウルフって、ボアと同じ中級2等対象の魔物よ、賎貨1枚は無いよ!」

 1階層はグラスウルフ20頭倒し賎貨20枚手に入れた。

「難易度の割にショボい成果、放置されてたの分かるよ…2階層に降りるよ!」


 頷くだけで声が出ない、皆の元気が無くなった。


 2階層はいきなりビッグボア!最初に僕達が倒し金貨110枚になった。

 リタ達が矢を飛ばし倒したが、銅貨1枚落としただけ当然魔石は落とさない。

「遣る気無くすね…ショボ過ぎるよ」

 レイラが代表で言ったようだ、皆の遣る気駄々下がり。

 ビッグボア15頭倒し銅貨15枚。


「ギルド依頼だから行くけど、3階層は考えられない魔物が出そう!皆武器はいつでも交換出来る様に、気を付けて!!」


 階段を降りると、ストーンゴーレムが待ち構えていた。

「全員武器を金棒に変更!!」

 ストーンゴーレムなんて、上級冒険者じゃないと対処出来ない高難易度の魔物だ。

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