第43話 お米有ったのに!

「カレーって何!イリス作れるの?」

「作れないよ、作り方知らない……お米無いし」

「オコメ?茶麦の事?麦みたいに白く無い、茶色い穀物なら有るよ」

「違うお米は白い……玄米は茶色い!その穀物どこに有る?」


「湿地帯に自生してて、家畜の餌用に初級冒険者に採取依頼、頻繁に出されてるよ」

「イリス、ゲンカイ村でも森の練習場の近くに生えてたでしょ」

 あの頃今くらい日本の事思い出せて居たら、お米か判断出来ただろうに、覚えて無いそんなの生えてた?



「イリス様、茶麦は家畜の餌として常駐依頼して居ります、在庫見られますか」

「サロメさん、お願いします!」

 サロメさんは、茶麦?を取りに出ていった。


「イリス様、無理なお願いでは有りますが、ダンジョン探索指名依頼受けて頂けませんか?」

「良いですよ、どこのダンジョンですか?」

「イリス侯爵様の領地、盗賊の森第8砦の南シタエズ王国との国境くにざかいに高難易度のダンジョンが有ります」

「盗賊の森にダンジョンが有るのですか!!」


「知られて居るのは、その高難易度の『ツミヒダンジョン』以外に、国境くにざかい山裾やますそに未調査ダンジョンが2つ有ると言われて居ます。

 ツミヒダンジョン探索に、サロメを仲間に加え同行させてもらいたい」

「良いですよ、サロメさん強そうですね」

「サロメサブギルドマスターは上級3等現役冒険者、王都冒険者ギルド最強冒険者です!」

「元々強い人が仲間になっても、イリスクランの強さの原因調査にならないでしょう、ギンタさんはどうですか?」

「流石イリス様お見通しで、私は元中級2等引退して…ではリュウサを仲間に加えて下さい!」

「リュウサさん?受付嬢ですね、冒険者タグは?」

「登録しておりません、気立ての良い闘いとは無縁の娘です、サロメの娘ピサロの妹では有りますが」


「ピサロさんの妹…ピサロさんが怒りそう」

「ピサロは妹が強くなるのは大歓迎、怒る事は無いですよ」

「いや、そう言う意味では…(女性の嫉妬心侮ってはダメだ!)」


 話の途中でサロメさんが小袋を持って入って来た。

「これが茶麦です」

「これ?ちょっと違うような」

 イリスは初見の籾殻もみがら付きのお米を、米とは気付かなかった。


 ※非農家の小中学生読者の皆さん、脱穀だっこく前のもみ付きのお米を見た事無いでしょう?

 イリス君も玄米までで、籾殻もみがら付きのお米を見た事有りません。


 お米が存在していて手にまで取ったのに、籾殻が付いて居るだけでお米と気付かず、お米のご飯食べるのはずっと先になった。

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