第40話 賎貨しか出ないダンジョン

 青スライムも格を破壊して倒す方法なら全く苦労無く討伐出来た。

「ガッカリだね!この階層も賎貨しか落とさない」

「でも、1匹倒すと賎貨10枚だよ!良い稼ぎになってる」


「無制限収納のアイテムボックス2個持ってるから回収出来たけど、普通29600個の賎貨持って帰れ無いよ?」


 一個3gの軽い賎貨でも29600個だと、88.8㎏になる。

 イリス達なら担いで帰るだろうが、一般冒険者は90㎏の荷物を担いで移動なんて出来ない。


 4階層が最終階のようだ。

 この階層は黒いスライムで溢れていた。

「スライム?だよね?」

 黒いスライムは、ブヨベチャのスライムと違い20㎝程の楕円で、サササっと速い移動をする、前世で見たGを大きくした様な?嫌悪感を感じる物だった。


 皆何も感じないようで、黙々と殲滅させて行ってる。

 僕は少し怖じ気付いてる、全く日本の記憶は邪魔になるだけだ!


 苦労(僕だけ)して倒しても、賎貨20枚落とすだけ、結局このダンジョンは金の成るダンジョンでは有るが、賎貨しか出ないちょっと残念なダンジョンだった。

 スタンピード状態にしても、強いボスが発生した迷いの森ダンジョンとは違い、長期に渡り放置されて居たのが原因って単純な物だった。


 黒いスライムも殲滅、賎貨40000枚程回収出来た。

 結局金貨に換算して70枚程の収益、一人当たり金貨6枚少々、王命とは言えあまり美味しい仕事ではなかった。

 出て来る魔物も気味の悪いスライムだけ、このダンジョン当分封印で良いな!





 王都に帰り、国王様に報告してる。


「イリスクランの皆!ご苦労であった!戦場跡は頭の潰れた1万の遺体が転がる殺伐とした風景だったと報告を受けておる!休む事無くオーボウダンジョンの魔物殲滅もご苦労であった!!」


「イリス殿、賎貨はどれくらい回収出来ましたか?」

「7万枚程回収しました」

「な、7万枚だと!!スライムそれほど湧いて居ったか!」

「普通のスライムは重なって居たので大丈夫でしょうが、黒いスライムはダンジョンから溢れ出ている可能性が有ります」

「黒いスライムだと!!キングスライムが居ったのか?」


 黒い魔物は特別なのか?簡単に討伐出来る黒スライムがキングスライムって大袈裟だな。


「これは……イリス伯爵を侯爵に昇爵しただけでは済まされん功績……イリスクランのメンバー全員子爵に昇爵……領地はボウジャク侯爵領に3男爵領全てイリス侯爵の領地とする!!」


「イリス殿、回収した賎貨を金貨100枚で買い取らせて貰えないか?賎貨は1枚造るのに3賎貨掛かるので造幣して居ない、10枚集めても銅貨1枚と安価な硬貨だが、流通して居ないまぼろしの硬貨だ」


「イリス侯爵、手がすいたなら王都冒険者ギルドマスターが、ギルドに寄って頂きたいと言ってる来ておるぞ」


「そうだ王都冒険者ギルドに顔を出して無かった!」

「到着早々、連続の王命で慌ただしくて、それどころじゃ無かったけど上級冒険者だから到着報告しないと不味いよ」

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