五章 ダンジョン探索

第39話 金の成るダンジョン

「これって凄く美味しいダンジョンだね!」

「スタンピード寸前まで溢れた状態だからで、普通状態に戻ったらスライム10か20倒せたら良い方だよ、20匹倒せたとしても銅貨2枚、ギルド酒場のスープ一杯分の稼ぎだよ」


「そうか…美味しい話ってそうそう転がっては居ないか」

「でもイリス、2階層3階層と降りて行けば、銅貨や銀貨落とす様になるよ!」

「そう、だよね?晩飯軽く食って2階層に降りてみる?」

 干し肉ガジガジ噛んで、水筒の水で流し込む。

 皆下の階層に行きたい気満々で、晩飯食ったかどうか?ちょっとは食べたのかな?


「イリス!行こう!!」

 このダンジョンは各階にボスとか居ない作りで、下に降りる階段も直ぐに見付ける事が出来た。


 2階層もスライムで溢れかえっていた。

 1階は透明だったが、2階は赤いスライムだ。

「ここのスライム可愛く無い!」

「イリス、スライムは全てこの形状、可愛いスライム知らない」

「ん?(目があって水滴形状のスライム、ポヨンポヨン跳ねる、日本の記憶か…)ぶよっと広がって、ビチョビチョで可愛く無いって思った」


「不気味なスライムに可愛さ求めても無駄!」

 ナオが言うのが正しい、記憶があやふやなせいか日本の記憶って生きて行くのに邪魔になるだけで、役に立つ物が無い。

 赤いスライムも倒し方は一緒だ、赤いスライムも四角い賎貨を落とす、ただし一度に5枚だ。


 赤いスライム殲滅させた、賎貨を16350枚回収した、金貨16枚銀貨3枚銅貨5枚相当の稼ぎになる。


「赤スライムいったい何匹倒した事になるのか?」

「3270匹倒したのね」

 レインは流石商人の娘、算術が巧みだ!


 金の成るダンジョンは、スライムダンジョン異常に湧いても重なりあって押し出す事が無いようだ。

 スタンピード状態でも、外に影響しないダンジョンだから放置されて居たようだ。


「一眠りするか?最初に僕が不寝番する!皆寝て良いよ」

 魔物に襲われる心配は有っても、ダンジョン内は寒くも暑くも無い快適温度だ。


 1階層もここ2階層も、魔物根絶させたので、2日はポップしないと思われる、不寝番してるのって無駄な事みたいだが念のためだ、あの階段から魔物が登って来ないとは言い切れない。


 何事も無く3時間経過、デイダを起こし交代して寝た。


 もうちょっと寝て居たいが、皆起き出してゴソゴソ銘々干し肉に干しブドウを食ってる、3階層に行く気満々デイダも寝不足だろうに準備万端キラキラした目で僕を見てる。

「3階層の様子見行ってみる?」

「「「「「「「「「「行こう!!」」」」」」」」」」


 3階層は青いスライムで溢れかえっていた。


「赤や青、色が違うだけでスライムって弱いな」

「イリス、スライムの動きより皆速く動いて討伐出来てるから弱く感じるけど、初級冒険者程度取り込んで溶かし補食するのがスライム!決して弱い魔物じゃ無いよ!」

「スライム討伐は、海水聖水か小便掛けて退治する、青いスライムは水に耐性が有り塩水が利かない」

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