第38話 僕らは貧乏性

 王勅命ちょくめいの間者が走った。

 各貴族が放った諜報員達も報告に走った。


 戦場跡には僕達だけ。

 僕はボウジャク侯爵の革袋さいふを確認した。

「おぅ?金貨50枚入ってる!!

 全員!革袋さいふを回収!武器も良さそうな物は回収して、全てが終わって、ダンジョンに向かう!」


 武器と革袋さいふで一人あたり金貨1枚としても、全て回収すれば最低でも金貨1万枚になる、放置は勿体無い貧乏性じゃ無いよ。


 1万人の食糧、何日分か知らないけど、アイテム袋30立方㍍拡張なのに入りきらなかった。


 迷いの森ダンジョン5階層産のアイテムボックス、小さい箱なのに荷車50台の山盛り食糧が全て収納出来た。

「このアイテムボックス、無制限収納なのか?」

 もう一個のアイテムボックスはデイダが持ってる、見るとダンジョンに早く行きたいのか無茶苦茶ハイペースで回収してる。


 仕分けは後で良い、取り合えずアイテムボックスに片っ端から収納して行った。


 見苦しい所を見られたようだ。

 誰かの使者が、僕らを見て固まってる。

「あ、あのぅ…お忙しい所失礼致します…」

「お見苦しい所を見せてしまい、申し訳有りません開拓地の新領地、移民用の食糧に丁度良い物で…ご用の向きは?」


「我が領主のリョウダ伯爵が、イリス伯爵様にお礼を申したいと、面会を打診するよう申し使って参りました」


 使者に面会を了承、やって来たリョウダ伯爵はひ弱な感じで、良い所の坊っちゃんって感じの青年だった。

 謀反むほん軍の進軍を何とか妨害しようと、頑張って居たが限界で困って居た状態での僕達の登場、胸のすく討伐に感激し面会を打診したとか。


 今後の友好を約束し、オーボウダンジョンに向かった。



 元オーボウ子爵領の山裾やますそに有るダンジョンに到着した、辺りは薄暗くなっている。



「この寒空での野営より、ダンジョンに入って魔物殲滅して、ダンジョン内での野営をしようと思う!意見は?」

「「「「「「「「「「ダンジョンに入ろう!!」」」」」」」」」」

 答えの分かってる質問した僕がバカだった。

 皆ダンジョンに入りたくてウズウズしてる。


「1階層の魔物が何か知らない、皆注意して!!」

「イリス、1階層はスライムだよ、斬撃無効を持ってる、透けて見える格を破壊すると消える」

 デイダは相変わらず良く調査してる。


「わぉ!!スッゴい!!!」

「気持ち悪ぅ~っ」

 1階層入り口前広場は一面スライムで溢れかえっていた。


 脳しょうや血で汚れた金棒、汚れついでにスライムを突いた。

 スライム格が弾け、ダンジョン魔物らしく消えて行った。

 気持ち悪いので、ツンツン突いて行き少しずつ広場を掃討して行った。

「スライムって魔石落とさないね」

「アイテムも落とさない?」

「これって何だろ?四角いの」

「それは賎貨よ10枚で銅貨1枚になる」マリが教えてくれた。

「お金なの?回収しなくちゃ!!」


「オーボウダンジョンは、お金の成るダンジョンって事?」

 賎貨2537枚回収した。

「銅貨253枚って、これだけで金貨2枚に銀貨5枚って事?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る