第33話 急激な昇爵

「ハンエイ、ぶっちゃけた話イリス達の扱い、どうすれば良い?」

「ウエルズ兄さん、彼らに反感持たれないように、徹底的に厚待遇してしっかり王国に取り込まないと、シタエズ王国等に移住されたなら多大な損失になるぞ!」


 ここは王の私室、ウエルズ王はひそかに弟のハンエイ公爵に相談を持ちかけて居る。


「報告ではイリス子爵の仲間、ナオ准男爵達4人で王都スラム街に蔓延はびこっていた悪人どもを一掃、悪人の組織はシタエズ王国の諜報員で構成されていたとか」

「なんでも、スラム住民を新領地の領民にするために行ったとか」

「イリス子爵を含む、クランの仲間は想像を絶する者達、取り合えずナオ准男爵達4人は男爵に昇爵する必要が有りますぞ!」

「功績から言うと褒美が少な過ぎる気もするが」


「では、イリス殿を最終的に侯爵にする方向で、今回多大な功績の褒美にイリス子爵を伯爵に、仲間の准男爵達10人を全員男爵に昇爵としては?」


「知らない内にシタエズ王国尖兵に、ウエルズ王国は随分浸食されて居った、それら全てを殲滅してくれたイリスクランの面々、妥当な報酬だな。勿論オーボウ子爵領にゴーマン伯爵領も全て付けても五月蝿うるさい貴族どもも文句は言えまい!」

「オーボウ子爵領に封印されたダンジョンがたしか有ったな」

「イリスクランに丸投げすれば、良い結果になるでしょう」


「それで良い、化け物揃いのイリスクラン、11人でシタエズ王国を攻め滅ぼす事も可能かも知れん!」

「ウエルズ兄さん!それだ!報酬シタエズ王国全てとして、次なる指名依頼!シタエズ王国を滅ぼす、で良いのでは?」


「依頼など出さずとも、盗賊の森を領地にしたイリス伯爵、自然にシタエズ王国兵と戦闘になると予想される」




 急遽昇爵式が執り行われる事になった。

「シタエズ王国の尖兵、盗賊の森の盗賊を殲滅しただけで無く、王都スラム街に蔓延る無法集団、シタエズ王国の諜報員を一掃しスラム街に平穏をもたらせた功績の褒賞として、イリス子爵を伯爵に昇爵!ゴラム会を名乗るシタエズ王国諜報員を一掃したナオ准男爵以下9名全員を男爵に昇爵する!!」


「ちょっと待った!!功績は兎も角急激な昇爵は如何なものかと」

「「「ボウジャク侯爵様の言われる通り!」」」

(ボウジャク侯爵と取り巻き3馬鹿男爵か、予想通り異議を申し立てやがって!邪魔者どもが!!)


「ほう?余の褒賞が変と申すか?

 ではボウジャク侯爵!お主は誰知らぬ間に浸食して居った、シタエズ王国尖兵に諜報員を全て殲滅してウエルズ王国に多大な功績を与えてくれた、イリス子爵達に何を持って恩賞すれば良いか、余に教えてくれるので有るな?

 その恩賞が今後の習わしになる!!

 大袈裟では無いぞ!我が王国の危機を救ってくれた恩賞!!

 些細な恩賞では、今後イリス子爵の功績を上間らん限り昇爵は行われん事になるぞ!!

 さあ!教えてくれ!!」


「…それは…そうで有りますが…一人の者に集中させるのは…」

「全てがイリスの成果だ!」

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