第29話 王都に着いた
5、6、7と1日間隔で砦があり攻略も順調に終わった。
流石軍隊、どの砦も同じ規模で同じ構造だった。
7番砦は物品をシタエズ王国に輸送した直後か、金も食料も何も無かった。
後は王都に向かって全力疾走すれば2日程で王都だ。
途中8番目の砦後を通過、放置されて居るが焼き払った訳で無く、何かに利用するつもりで残し放置しているようだ。
王都に到着、結局ハンエイ町からの全行程10日かかった。
7つの砦を潰しての行程とすれば上出来だろう。
流石王都、近隣の市町とは桁違いの防壁に守られた堅牢な都市だった。
王都門番に王からの書状を見せた。
「イリス様ご一行確認しました、ご案内します」
門を抜けると馬車が用意されて居て、僕らは二台に分乗した。
馬車はユックリ王宮に向かって走り出した。
申し合わせでもして居るのか、王宮城壁門を止まる事無く通過、王宮前で馬車は停車した。
御者が馬車の扉を開け、僕達は下車した。
びしっと黒服をきめた初老の男性が待って居て。
「王宮控えの間にご案内致します」
と言って歩きだした。
僕らは案内人の後を着いて行った。
王宮内に入るとだだっ広い広間が有り、階段を登って行く。
広間を見下ろすような手すり付きの通路を通り、ぐるり回って突き当たりの部屋に通された。
絵画が飾られ、壷や皿が置かれた部屋のテーブル席に僕らは座った。
部屋の4角に金属鎧と言うか甲冑が立ってる(あれは人が入ってるのか、空の甲冑を飾って居るのか)
女性の給仕がお茶と焼き菓子、生の果物を置いて行った。
「宿泊室の準備が整うまで、飲み食いしててって事だろう」
僕がお菓子を食べる前に、皆は既に食い付いていた。
僕達育ちのせいで、食べる事に貪欲だ。
あっと言う間に食い尽くし、無くなったのを何処かで見てた?と思うタイミングで、お代わりのお茶と焼き菓子果物を給仕さんが配ってくれた。
お代わりをユックリ食べ終わった。
初老の案内人が入ってきた。
「謁見の準備が整いました、王がお待ちです!謁見の間にご案内します」
(嘘だろ?1月15日の謁見まで20日有るぞ、到着して即謁見って王様は暇なのか?)
「案内人さん、王様に献上品オークソードが有るのですが、どのタイミングで献上すれば良いのですか?」
「王が『スタンピードの原因オークキングを討伐したそうだな!』と言われた返答に「オークキングの持ち物オークソードを献上致します」と言われるだけで結構です」
王様に謁見する作法はナオに教えてもらってる。
何とかなるでしょ。
謁見の間にはイリスパーティー全員入るように言われた。
玉座に座る王様の前に進み、定位置で止まり右腕を胸に頭を下げて声が掛かるのを待つ。
「
僕達は顔を上げて正面を向く。
「イリスパーティーは迷いの森ダンジョン大繁殖溢れ出る寸前の魔物6000匹を殲滅、原因のオークキングを討伐したそうだな!」
「国王様にオークキングの持ち物オークソードを献上致します」
「偉業の報酬としてパーティー10人に騎士爵を叙す、イリスは准男爵に叙す!」
この瞬間僕達は貴族になった。
「発言をお許し下さい」ナオが言った。
「許す!」
「オーボウ子爵により街道封鎖、盗賊の森を通行するように強要されました。我らは全員上級冒険者、国内国外の通行を阻害されない資格を持って居ります。
今回は王命により召集を受けての通行、それを阻害したオーボウ子爵は王命反逆罪に問われます!
リーダーのイリスが貴族の取り決め決闘を申請致します」
「そんな根も葉も無い戯れ言、国王様信じてはなりません!」
オーボウ子爵の寄り親、ゴーマン伯爵が横槍入れて来ます。
「ゴーマン伯爵、余の諜報員からの報告では、オーボウ子爵が街道封鎖し『イリス一行の通行は認めん!引き返すか盗賊の森を通行せよ!』と言ったと報告を受けて居る!イリス決闘を認める!」
「国王様、私ナオもそちらのゴーマン伯爵に決闘を申し込みます!」
「ナオ騎士爵、因縁は知って居る許可する」
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