第24話 こんな娘知らんぞ

「ゲンカイ村から奴隷を入荷致しました!女性が二名で御座います…おっ!イリス様皆様上級冒険者昇格おめでとう御座います」


「ゲンカイ村の女性?年齢は?」

「二人12歳で御座います」

「名前は?」

「マリにレインで御座います、間も無く準備が終わり係の物が連れて来ます」

「マリにレイン?記憶に無いな、まっゲンカイ村からで、12歳なら僕らの幼馴染みのはず、金額は?」

「村長の息子ルース様が高額買い取りを望まれて、金貨3枚二人で金貨6枚で購入致しました、輸送費を銀貨5枚頂きたいです」

「金貨7枚出そう」

 僕は金貨7枚ゴウツ店主に支払った。

「お釣りで御座います」

 律儀にゴウツ店主は銀貨5枚お釣りを返して来た。


「お待たせ致しました」

 係の物が連れて来た、マリとレインを僕は見た事が無い、忘れて居るだけかとまじまじと見詰めた。

「貴女達、ゲンカイ村の者じゃ無いね」

 レイラが言うからには、僕のど忘れじゃないみたい。

「ゲンカイ村、それも兄に売られた理由を教えて」

 そうだろうな、リタの兄貴がどう言う経緯いきさつで、彼女達を奴隷商に売り付けたのか気になるよね。


「私達は商人の娘です、二人でたきぎ拾いに森に入って居る内に、私達の家族商隊の皆は盗賊の襲撃で全滅してました」

「全て略奪されて、残っていた水筒を持って二人で逃げました」


 水を飲み見付けた薬草を苦いのを我慢して食べ、7日かけて村を見付け助けを求めたそうですが、運の悪い事に着いた村がゲンカイ村、捉えられ持ち物銀貨も銅貨も取り上げられ、奴隷商に売られたそうです。

「二人は犯罪を侵して居ないし借金もして無い、完全な違法奴隷だね」


 僕達の会話で、ゴウツ店主は蒼白になって崩れ落ちてる。



 かなりの時間を掛け復活したゴウツ店主が。

「頂いたお金はお返し致します……迷惑おかけしたお詫びに、当店最高の奴隷をお譲り致します…何卒私目の犯罪をお赦し下さい!!」


 ゴウツ店主は平伏したまま係員に指示し、若い女性奴隷を僕に押し付けた。

「ゴウツ店主は普通に奴隷を仕入れただけ、犯罪者はゲンカイ村のルース!貴方が罪に問われる事は無い、ゴウツ奴隷商最高の奴隷の紹介を願いたい!僕が気に入れば正規の金額で買い取る、店主が損をする様な取引はしない」


 犯罪奴隷はアサシンのナオ、さる伯爵の依頼『諸悪の根元を調査』で「諸悪の根元は伯爵で有る」と馬鹿正直に報告、捉えられ奴隷商に即売られたらしい、罪状は貴族不敬罪だった。

 金貨15枚で買い取った。

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