第22話 迷いの森ダンジョン踏破【1】

「何か力が溢れじっとしてられん」

 起き抜けにデイダが騒いでる。

「本当!力が有り余ってる感じね!」

 リタも言ってる様に、僕もじっとしてられない走り回りたい!早くダンジョンで魔物倒したい、そんな衝動を押さえられないよ。

「取り合えずお腹が空いた!朝御飯食べに行こう!」

 レイラも元気一杯弾けそうです。


 朝食はいつものミルク煮込みのコッテリスープにバスケットに山盛りのふかふかパン…いつもならお腹いっぱいのはずが、食べた気がしない。

「みんな!まだ食べられるだろ?僕は食べた気がしないよ」

「「「「「「「リーダー!お代わり!!」」」」」」」

 と言う感じで、スープとパンを追加注文しそれもスッカラカンに完食した。

「まだボアステーキなら2枚は食べられそうだ」

「力が溢れるのは良いけど、お腹が無茶苦茶減るね!」

「上級冒険者って化け物みたいな人達って聞いたよ?私達も化け物の仲間入りしたって事ね!」


「安いギルド酒場だから良いけど、8人満足するまで食べたら食費が凄い事になりそう、しっかり魔物討伐してお金稼がないと!」

 相当贅沢しても食費程度で金貨2000枚以上食い尽くせるとは思えない発想が貧乏臭いイリスだった。



「今日は3階層の魔物殲滅に行って来ます!」

「頑張ってね!」

 ピサロさんが笑顔で手を振ってくれてる。


 冒険者ギルドを出ると8人全員走り出した。

 力が溢れて押さえようが無い、僕と同じで皆も走らずに居られない感じらしい。

 ほぼ全力疾走で西門を飛び出した。

 いつもの門番さんがあきれたような顔をしてた。

 最初に来た時は4時間かかった距離を、今日は30分で来てしまった。

 ダンジョン前で一時停止、僕達5人は抜剣しリタ達3人は弓に矢をつがえダンジョンに突入した。

「ゴブリン少な!」「ちょっとガッカリ?」

 まばらに居るゴブリンを無視し2階層に行く。

「ホーンラビ居ないね…」

 あれ程ぎっしり溢れて居たホーラビが居ない。

「ダンジョンって、魔物殲滅させてもポップするはずだよね?根絶やしにしたの不味まずかった?」

 2階層のダンジョンボスアルミラージュは健在だったが、舜殺で3階層に降りた。


 3階層も魔物が溢れて居ると思ったが期待外れ、リタ達が矢を飛ばしオークのみ倒して進む、1階2階と比べると長閑のどかな感じだ。

 オーク10頭倒し、魔石と魔鉄を回収した所でダンジョンボスの部屋に到着、そのまま入った。


「あれ?オークってピンクだよね?このオーク黒い!」

 ランダム複数のボスのはずが、黒いオークが1頭しか居ない、リタ、リツ、ケイの3人が矢を射掛け、強そうに見えた黒オークは消えて行った。

 今までで最大の魔石が残った。

「あれ?魔鉄が無しで、この不格好な剣は何?」

 リタがガッカリした様に言った。

 魔鉄の代わりか?不格好な大剣が残ってた。

 取り合えず収納袋に入れて皆に聞いてみた。


「3階層拍子抜けするくらい簡単に終了した。4階層に行こうと思うがどうだろう?」

「「「「「「「行く!!」」」」」」」

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