第12話 実戦訓練【1】

 剛剣屋の店主さん、ロイ達の武器装備全てで金貨2枚だった。

 武器は全てで凡そ金貨80枚、矢筒が収納小拡張の特種仕様二つで金貨20枚するそうってピサロさんが教えてくれて「大赤字の金額ね」って言ってた。

 何と言って言いか、お金じゃ無いお礼を考えないと、ここまでして貰えると……受けた好意は決して忘れない。

 ピサロさん今日もギルドに宿泊させてくれた、大部屋ベッド無しで雑魚寝仕様だったけど、寝袋貸してくれて皆で魔物討伐の事相談しながら寝た。


 ピサロさんに起こされる事無く、早朝に目覚めた。

 僕達が防具を着けて装備装着してると、ロイ達も起きて準備始めた。

 ロイと言うよりケイ達女性に良い格好したくて、ギルド酒場に朝飯食いに行った。

「パンにスープ7人」「あいよ」注文は昨日と同じ、だって美味しかったんだもの。


 ロイにミットそれにリツとケイは「「「「美味しい!」」」」

「イリス達こんな上手い物いつも食ってるのか?」

「バスケットのパンは食べ放題だぞ」

「「「「凄い!ふわふわパン!!」」」」

 ゲンカイ村で家では粗食だったけど、食わないと身体が持たない、だから食える物見付けて意地汚く何でも食ってた。

 ロイ達も滅茶苦茶食ってた。

 バスケットの山盛りパンが、すっからかんになった。

 支払い金貨を覚悟してたけど、一食銅貨2枚だって!7人分が銀貨1枚と銅貨4枚だった。

 村に住んでた頃のゴブリン魔石1個の値段だ。


 朝飯しっかり食って元気溌剌げんきはつらつ忙しく働いてるカウンターのピサロさんに「迷いの森調査に出掛けます!」と声掛けした。

「気を付けてね!!」

 ピサロさんがよく通る声で手を振りながら返してくれた。

 並んでる冒険者達が一斉に僕達を見た。

「おい、あいつら何者だ?」

「幼い新人に見えるが、中級タグ着けてる?」

「装備見てみろ!強そうだな」

「迷いの森は魔物が溢れて居るそうだぞ!」

「近寄らないよう指示が出てたぞ!」


 色々聞こえて来た。

 バカにした声は聞こえて来ない、チョッと気分良く僕達はギルドを出た。


 ハンエイ町の防護壁に北門は無い、僕達が入った西門と王都に向かう東門だけだ。

 西門を出るついでに、あの門番さんに挨拶して発行されたギルド章を見せた。

「あの時は有り難う御座いました!発行してもらったギルドタグです」

「無事ギルド章発行してもらえたよう……何だ?中級タグじゃないか!!」

「何だ?大声出して何か問題か?」

「警備隊長!騒いで申し訳有りません!新人がいきなり中級タグを持ってたもので……」

「ん?…おぅ!連絡貰ってるぞ!期待の新人イリス率いるパーティーだな!!気を付けて魔物討伐頑張ってくれ!!行って良いぞ」


 警備隊長と呼ばれた髭のおじさんに、お辞儀して僕らは西門を出た。

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