24話 大切な人
気が付かなかった
俺が魔法も能力もないただの人間に気が付かなかった
肩を掴まれただけなのに死を感じた
「名前は?」
「空だ」
「褒めてやる、凄いぞ空」
アイニコロスはそういうとまた笑みを浮かべた。
「空くん!今アイニコロスさんが助けを求めたよ!」
アイニコロスは空の手を振り払い、一瞬の速さで朝の元へと行った。
「その能力奪い去りたい」
「渡さない!」
「渡してもらわなくていい、奪えばいいからな」
そう言うとアイニコロスは杖を構えた。
「能力の奪い方を知っているか?能力を奪うにはその力を発動している時ではないといけない、つまり無意識にでも誰かを助けたいと思ったら負けだ、この能力が日常化している人間に勝ち目なんてない」
「でも出来ることはあるよ!」
ダンッ
朝はタックルをした。
発言通りタックルをしたのだ。
その姿に驚く空。
小夜子は回復してすぐその状況を見て大笑いしている。
「さすがに効きませんね…」
ヒュイン
気がつくと朝は電柱にぶつかっていた。
痛みを感じたが、すぐ立ち上がり、朝は苦笑いでそろりとその場から離れていった。
「待て」
アイニコロスの声にビクッとして固まる朝。
「俺を助けろ」
その言葉で朝は能力を発動させてしまった。
「やばい…」
「もう遅い」
朝はその場に倒れてしまった。
「許さない」
クリエラスはそう言うとアイニコロスの元へ走って行った。
「クリエラスはこの女が大切か?」
クリエラスの魔法を避けながら話すアイニコロス。
その表情からも余裕そうに見える。
「大切な人だ」
「そうか、でも能力を奪ってしまったからクリエラスと出会った記憶はなくなっている」
ニヒッと笑みを浮かべるアイニコロス。
それにより、一層力が入るクリエラス。
だが、その力も叶わずクリエラスは倒れた。
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