23話 アイニコロスとの戦い

アイニコロスとの戦いが始まった。


俺に出来ることは何も無いのかもしれない

能力もなくなった

もう何も…


「何も出来ないって思ってるんでしょ?」


「朝…」


「私だって人助けの能力なんだからこういう時は役に立たないと思う…でも!隙をついてタックルとかは出来ると思う!」


「タックルって…」


「私はタックルでも何でもするから!隙をつけば私だって力になれるから!」


「確かにな、隙をつけば何でも出来るかもな」


空は立ち上がった。

少し笑っているようにも見えた。


「ありがとな」


やばい、空くんカッコよすぎる!!


ドカーン


爆発音と共に破片が飛び散った。


「小夜子」


アンエラスの呼びかけに反応しない小夜子。


「裏切り者は死ぬべきだな」


アイニコロスはアンエラスの首を絞めた。


「やめてください」


カンエラスは震える手でアイニコロスに杖を向けた。


「俺に勝てると思っているのか?」


グッ…


アイニコロスはもう片方の手でカンエラスの首を掴んだ。


サリエラスは杖を構え空間呪文を唱えた。


ふぁん


アイニコロスの近くに空間が開かれた。


ガンッ


クリエラスのパンチがアイニコロスの頬に当たった。

その衝撃で2人の首から手が離れた。


「大丈夫か?」


「大丈夫です」


カンエラスは立ち上がり杖をギュッと握った。


「小夜子は?」


アンエラスは小夜子に駆け寄った。


「傷口が酷い…治しておくから後は頼みます」


アンエラスはそう言ってありったけの力を杖に込めた。


「一旦離れるぞ」


サリエラスは杖を振り、4人をアイニコロスから遠ざけた。


「距離をとるのは良い判断だ」


そういうとアイニコロスは笑みを浮かべた。


ガシッ


「よくも小夜子に傷をつけてくれたな」

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