21話 ご飯

「こっちだ」


ガミナは小夜子の腕を掴んで引っ張った。


「もう少し余韻があってもいいんだけどな。」


「小夜子の助けが必要だ」


「はい、はい。」


サリエラスの元に着いた。

小夜子は回復魔法で傷口を塞いだ。


「これで大丈夫だ。」


「ありがとうな」


「珍しいな、サリエラスが感謝なんてな。」


「いつも感謝しているが?」


「嘘つけ。」


「楽し…そうだな」


サリエラスがそう言いながら笑った。



「クリエラスさん?」


朝はじーっとクリエラスを見つめる。


「もう君達の勝ちみたいだよ」


後ろを振り返ると、なんだか楽しそうに笑っている小夜子達が見えた。


「私達戦いという戦いしてないけど、それはそれでいいよね!」


「そうだな」


クリエラスはニコッと微笑んだ。


「とりあえず飯行こ。」


みんなを回復魔法で直し、一段落した小夜子はアンエラスの手を掴み引っ張った。


「ほら、みんな行くぞ。」



「いらっしゃいませ!」


笑顔で迎えてくれたのは海だった。


「海のバイト先だったか」


「友達連れてきたの?」


え!?

この前、家に来た子もいる

まじか、どういう関係!?


「友達と友達の友達くらいの人かな」


「可愛いね」


クリエラスは海に近づき、手を優しく掴んだ。


「気持ち悪い、お兄ちゃんどうにかして!」


「その手離せよ」


「嫉妬ですか?お兄様」


そう言うとクリエラスは空を見つめる。


「その呼び方やめろ、気持ち悪い」


空は海を引っ張ると自分の方へと引き寄せた。


「席座るぞ。」



「たくさん食べたね!」


朝はとても満足そうな顔をしている。


「そうだな」


それにしても同級生にも会わないって事は能力は消えたってことか?

よく分からない

聞いてみるかー


「そういえば、俺の能力って消えた?」


「消えたよ、自分でも自覚できるほどだろ?」


小夜子はそう言うと少しだけニヤついた。


「そうだけど」


「けどなんだ?」


「俺の周りには人がいるなって」


「当たり前だ。深く関わっている人は直ぐに離れたりしないもの。」


そうだよな

小夜子の言う通りだ


「星野神小夜子はわかっているからな。」


「わかっている?」


「どこに向かえばいいのか知っている。」

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