第13話 百合じゃん
「小夜子を殺すか、その能力者2人から能力を奪うか、どっちにします?」
カンエラスはそういうとアンエラスの肩を揉んだ。
「能力者から殺した方がいいですね、あまりの恐怖に小夜子が自害する可能性もあるので」
アンエラスはカンエラスの手を払って空の所へ歩いた。
「待て。」
「そういうと思ってました、小夜子は正義感が強くて純血の魔女から嫌われていた、だから人間界に住むようになったのでしょ?」
アンエラスは小夜子の頭を「可哀想に」と言って撫でた。
「撫でられるのは久々だ。悪い気はしない。」
小夜子はアンエラスの顔をペタペタ触った。
「お触り禁止ですよ」
カンエラスはそういうと小夜子の手をガシッと掴んだ。
アンエラスは「ありがとうございます」と微笑んだ。
「私は小夜子のことを嫌っていなかったわ、むしろ面白い存在だと思っていた」
「アンエラスは洞窟に住むラヴィンソンが好きって噂聞いたことあるぞ。やっぱり変わり者が好きなんだな。」
小夜子はニヤニヤと笑いながらアンエラスに手を伸ばす。
それを防ぐかのようにカンエラスがサッと前に出た。
「これじゃ帰るのが遅くなってしまうので、サリエラスとクリエラスがあの2人の能力を回収してください」
カンエラスはそういうと小夜子を抱きしめ、そのまま地面に押し倒した。
「もしかして百合思考?」
「そんなわけないです」
「毎日アンエラスと百合っぽいことしてる癖に。」
「してないです」
「じゃあ俺は女の子の方奪うからあっちの方お願い」
「クリエラスくれぐれも甘い考えで行動するなよ」
「わかってるって」
クリエラスはそういうと朝の方に向かって一礼をした。
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