第11話 小夜子との再会
「おはよう都辺くん...」
「百合先生おはようございます」
百合先生は相変わらずの暗さだ。
あの時の明るさをもう一度見てみたい気もする。
「今日は宙樹さんと一緒ではないんですね...」
「今日は鉢合わせなかったので」
「そうなんですか...」
なんか空気が重く感じる
「そろそろ教室に向かいますね」
「はい...」
授業が終わり、2人で帰っているとやっぱり視線が凄いなと思いながら学校を出る朝。
「そういえば朝も能力持ちっていう自覚がなかったよな、俺も自覚なかったし、もしかしたら能力持ちみんな自覚無しかもしれないな」
「そうだと思う!」
能力についての話をしながら歩いていき、2人が別れる場所の少し手前で来た。
そしてそれは起こった。
「助け...て...くれ...」
後ろからそんな声がした。
これは忘れもしない小夜子の声だった。
「小夜子!?どうした、何があった」
不老不死の呪いのおかげで、小夜子の傷はみるみる治っていった。
白いワンピースには血痕が生々しく残っている。
「アンエラス、カンエラス、サリエラス、クリエラス」
「偉人の名前か何か?」
朝はそう言い首を傾げた。
「これは私に呪いをかけた魔女の仲間だ。まあ私は魔女と人間のハーフだけど。」
突然小夜子は朝の顔を血のついた手でぺたぺたと触った。
「ちょっと!」
「これは小夜子のおまじないだ。これで何が起きても顔に傷が出来ることはない。女の子は可愛いが何よりで、死んでも可愛いがいいからな。」
小夜子はそういうとフフっと笑った。
その姿はまるで本物の魔女のようだった。
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