第10話 気がついたこと
「どうやって正反対の能力者を見つけるの?」
「俺もまだ自分の正反対の能力者見つけてないから分からない」
タンタンタンタン
階段を下りる音が聞こえてきた。
ガチャ
「お兄ちゃん雨降ってきた!洗濯物やばい!」
「まじか」
ザー
「通り雨か、洗濯物取り込んでくるから待ってて」
「私も手伝うよ!」
「大丈夫だ」
空はそういうと海と一緒に走って行った。
その姿を見て朝はため息をついた。
嫌われてないのはわかった...
でも私って頼りにされているのかな?
「小夜子は殺すべきですね」
「もちろん殺すべきです」
「殺すのは惜しいくらいに美しい」
「黙れ、クリエラス」
空が洗濯物を取り込み、戻ってきた。
「私気がついたんだけどさ、正反対の能力者と会うってことは矛盾を意味すると思うの!」
朝の考えに空はハッとした表情を見せた。
「確かにそうだな、でもだからこそ会える可能性が高いんだ、もし人を突き放す能力なら誰とも関われないけど、それの反対の能力を持つ俺なら関われる可能性があるってこと」
「そうかも!あ!私の人を助ける能力でその人を孤独から救い出せる可能性もあるじゃん!」
「そうだけど、その人が本当に助けを必要としているならな」
俺は人を引きつける能力を持っているが、特定の人を引きつけることは出来ない。
もしそれが出来ていたら今頃小夜子は隣にいるはずだからだ。
朝の人を助ける能力も特定ジャンルの人助けと絞ることは出来ない。
小夜子なら他に何か知っているんじゃないのか?
何処だ、何処にいるんだ?
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